老けたくない人必見!AGE対策の落とし穴とは|「老けないカラダ」になる50の知恵 AGEを減らして10歳若返る! :レビュー

書評

AGEという名の“老化装置”をどう見るか

科学的なフレームワークと「老化」への因果関係

まず「AGE(終末糖化産物)」っていう言葉、ちょっとカッコつけた科学用語っぽいんですけど、要は「糖分を取りすぎて、体が錆びていく過程」なんですよね。糖とタンパク質が体の中でくっついて、変な物質ができて、それが老化の原因になりますって話なんですけど、それって本当に今さらなんですよ。

つまり、「甘いもの食べすぎると老けるよ」って、昔から言われてた話に、新しい言葉をつけて“学術的”に見せてるだけで、「へぇ、そうなんだ」とはなるけど、実際に生活に落とし込むかっていうと微妙なんですよ。

で、こういう健康本って「理屈は正しいけど、実践できる人少ないよね」ってパターンが多いんです。でも、AGEの話に関しては割とシンプルなんですよ。「揚げ物減らしましょう」「野菜から食べましょう」「タバコやめましょう」。うん、それ全部、どっかで聞いたことありますよね?

「老けたくない」という願望のビジネス化

人間って「若く見られたい」とか「老けたくない」って気持ちはあるんですけど、それってどちらかというと見た目の話で、中身まで若返るかどうかは別問題なんですよ。で、「AGEを減らすと10歳若返る!」みたいなキャッチーなタイトルって、要はマーケティングなんですよね。

だって、AGEが減ったところで、劇的に見た目が変わるかって言われたら、そんなに変わらないと思うんですよ。でも「これやると若くなる」って言われると、ちょっとやってみようかなって気持ちにはなるわけで。

つまり、老化を防ぐ=AGEを減らすっていう構造は、ある意味「不老不死ビジネス」の延長線上なんですよ。昔で言えば、若返りの薬とか、水素水とかとあんまり変わらないです。

日常に落とし込むと意外と難しい話

AGEフリーな生活ってストレスの元なんじゃないか問題

で、この本の言ってることを全部やろうとすると、めちゃくちゃストイックな生活になるわけですよ。「揚げ物ダメ」「焼き物ダメ」「甘い物ダメ」「早寝早起き」「運動しろ」「ストレスためるな」。…これ、人生楽しいですか?

つまり、老けないための生活って、逆に精神的に老ける要因になるんですよ。ストレスって老化の元になるって話なのに、AGE対策をガチでやったら、ストレス溜まりまくるんじゃないかと。

結局、人間って快楽を求める生き物なので、ケーキ食べたり、深夜にラーメン食べたり、そういう無駄の中に幸福を感じたりするんですよ。そこを全部排除してまでAGEを減らして生き延びたいのか、って話なんです。

「健康志向」という名の自己満足

よくあるんですけど、「私は健康に気をつけてます!」って言う人ほど、健康のために人生の楽しみを捨ててるんですよね。で、ちょっと健康診断で数値が良くなると、「ほらね、私のやってること正しいでしょ」って言うんですけど、それって自己満足であって、他人に強制するもんじゃないんですよ。

AGEを減らす生活って、意識高い系の典型例なんですよ。健康でいようとするのは別に悪いことじゃないんですけど、「健康じゃない人=怠け者」みたいな空気を作るのは、ちょっと違うかなと。

人それぞれ生活環境も違えば、好みも違うわけで、そこに「AGEが~」とか「糖化が~」って言っても、みんなが納得するわけじゃないんですよ。そういう多様性を無視して、「これが正解です」って出してくるのが、健康本の限界なんです。

論理的には正しいが、感情的には受け入れにくい

科学と感情のギャップ

AGEの話って、論理的にはすごく説得力があるんですよ。「糖とタンパク質が結びついて、変性して体に悪影響を及ぼす」っていうメカニズムも説明されてて、「なるほど、糖は控えよう」って思えるんですけど、でも感情的には「じゃあケーキ食べるのやめます」ってならないんですよ。

それって、理屈と感情のギャップがあるからなんですね。人間って、感情で行動する動物なので、「理屈はわかったけど、やりたくない」ってことは山ほどあるんです。

だから、この本を読んで「よし、明日から全部実践しよう!」ってなる人って、たぶん1割くらいで、残りの9割は「へぇ~」って言って終わるんですよ。

本当に老化を防ぎたいなら、「執着を減らす」べき

面白いのは、老化って体の問題もあるんですけど、心の問題の方が大きいと思うんですよ。「あれができなくなった」「これを失った」っていう喪失感が老化を加速させるんですけど、逆に言うと「失うことに対して執着しない」ってスタンスの人って、年取っても若々しいんですよ。

要は、「若返りたい」と思ってる時点で、すでに老いに執着してるわけで、その執着がある限り、どんなにAGE減らしても、心が老けてたら意味ないんですよ。

なので、「AGE対策して若返りたい」って思う人よりも、「まぁ年取るのも悪くないよね」って思える人の方が、結果的に若々しく見えたりするんですよね。

「食べ方」改革で未来は変わるか

食事の順番に意味はあるのか?

本書では「野菜→タンパク質→炭水化物」の順番で食べると血糖値の急上昇を防げて、結果としてAGEの生成も抑えられるって話なんですけど、これって理屈は確かに正しいんですよ。

でも、「食事の順番を意識して食べる生活」って、やってみると意外と面倒なんですよ。定食屋に入って、「まずはキャベツね、次に魚ね、ご飯は最後」ってやってたら、普通に冷めるんですよ、料理が。

つまり、健康のために“おいしさ”を犠牲にしてるってことになるわけで、「食事ってそもそも楽しむものじゃないの?」という根本的な問いにぶつかるんですよね。

この「食べる順番を意識しよう」系のアドバイスって、理論上はよくても、感覚的にはちょっとズレてるというか、「そこまで頑張らなきゃダメなの?」っていう気分になるんですよ。

調理法でAGEを減らす=味気ない人生?

「蒸す」「茹でる」調理法を推奨して、「揚げ物とか焼き物は控えましょう」って話も出てきますが、これもまた現実的じゃない部分があるんですよ。

だって、焼き魚の香ばしい匂いとか、唐揚げのサクサク感とか、人生の中でけっこう重要じゃないですか。そこを「AGEが増えるから」って理由で否定されたら、じゃあ何のために食ってるの?って話になるんですよ。

要は「健康」と「快楽」を天秤にかけたときに、どっちを取るかって話なんですけど、健康ばっかり気にして、味気ない食事ばかりしてたら、それこそ心が老け込むわけですよ。

しかも、「蒸す」「茹でる」って調理の手間もかかるし、現代人の忙しい生活にはあんまりフィットしないんですよね。だったら、コンビニの唐揚げ棒1本で元気になれるほうが、コスパも気分も良かったりするわけで。

AGEを敵視することで見落とすもの

AGEゼロを目指すことの非現実性

AGEって、実は体内で自然に作られる物質でもあるんですよ。つまり、生きている限りAGEはゼロにはならない。これって「酸素吸ってると活性酸素が出るから酸素吸わない方がいいですよ」って言ってるのと同じくらい極端な話なんですよね。

じゃあどうするかっていうと、「AGEを減らす」ことじゃなくて、「AGEとうまく付き合う」って発想の方が大事なんですよ。健康に生きるって、極端を避けて“折り合いをつける”ことなんですよね。

本の中ではAGEをとにかく減らすことが目標になってるんですけど、それだと「AGE=悪」っていう構図が強くなりすぎて、ちょっと偏ってるなと。悪玉菌みたいなもんで、全部排除したら逆にバランス崩れる可能性もあるわけです。

現実的な落とし所を探る思考のすすめ

AGEに限らず、健康法全般に言えることですけど、「完璧を目指す人ほど、途中で挫折する」んですよ。で、挫折した自分に自己嫌悪して、「もうどうでもいいや」ってなって、暴飲暴食して、結果的に以前より健康を損ねるっていう負のスパイラルに陥る。

だからこそ、「できる範囲でやる」「自分の生活スタイルに合う部分だけ取り入れる」っていうスタンスが一番強いんですよ。

本書で挙げられてるようなアドバイス、例えば「ウォーキングを1日30分」とか、「寝る前にスマホ見ない」とか、「サラダから食べる」ってのは、取り入れやすいし、コスパもいいわけですよ。

要は、「AGEをゼロにする」んじゃなくて、「AGEを減らすためのちょっとした習慣」を続けることが、実は一番現実的で、効果的なんですよね。

結局、老化とは「気の持ちよう」なのか

「若く見られたい」は現代病のひとつ

この本を読んで感じたのは、結局みんな「見た目」ばっかり気にしてるなってことなんですよ。AGEの話も、突き詰めると「シミができるのが嫌だ」とか「肌がたるむのが嫌だ」っていう、外見への執着に繋がってる。

でも、年を取るってそういうもんじゃないですか。重力には誰も勝てないわけで、そこに逆らい続けるのって、ある意味不毛なんですよ。むしろ、歳を取っても「まぁ、これが自然だよね」と思える人の方が、精神的には若いんですよ。

「若く見えること」にこだわると、逆に老化が気になってストレスになる。で、ストレスがAGEを増やす。…つまり、見た目にこだわることで、結果的に老けるっていう皮肉な構造になってるんですよね。

「老い」を受け入れることの若々しさ

一番若く見える人って、「若く見せよう」としてない人なんですよ。「もう50歳だけど、好きなもの食べて、毎日笑って暮らしてる」みたいな人の方が、実年齢より若く見えたりするわけです。

結局、「老けないカラダ」って、何をどれだけ我慢しても、どこかで限界がくるんですよ。だったら、その我慢のストレスを抱えるくらいなら、「老い」を受け入れて、その中で楽しめることを見つけた方が、よっぽど人生としては豊かだと思うんですよね。

この本の提案する知識や生活習慣ってのは、あくまで“手段”であって、“目的”じゃないんです。AGEを減らすことが人生の目的になるのは本末転倒であって、「よりよく生きるために、無理のない範囲でやる」くらいがちょうどいいんじゃないですかね。

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