脳は「使えば若返る」って、言われてもね。
要は、「脳の老化は止められないけど、遅らせることはできる」って話です
まずですね、この本の言ってることはすごくまっとうで、医学的にも正しいと思うんですよ。で、「脳は刺激を与えれば新しく神経細胞ができる」っていうのは、科学的な裏付けもある話で、それ自体は否定しないんですけど、結局それって「毎日ちゃんと運動して、野菜を食べて、ちゃんと寝ましょう」っていう、いわゆる健康本あるあるの延長線上なんですよね。
で、こういう話って、真面目な人にはウケがいいんですけど、僕みたいに「それって本当に意味あるの?」って思っちゃう人間からすると、ちょっと胡散臭く感じるわけです。つまり、やってる人はそれなりに効果を感じるかもしれないけど、それってプラシーボ効果じゃないの?って話なんですよ。
あと、「40代から始めた方がいい」とか言ってますけど、それって単に「手遅れになる前に」ってことを言ってるだけで、じゃあ20代や30代は何しててもいいのか?って疑問も出てきますよね。結局、全部の年代で同じこと言うんだったら、最初から「年齢に関係なくやった方がいいです」でいいじゃんって話です。
ポジティブ思考の押し付けが、ちょっと気持ち悪い
あと、「幸せだと脳の老化が遅くなる」とか、「ポジティブ思考で脳が若返る」とか言ってますけど、それってちょっと無理あるんじゃないかと思うんですよ。ポジティブでいようとして、逆にストレスになる人っているわけで、「幸せだと思わなきゃいけない」って強制されてるような感じになっちゃうんですよね。
要は、「幸せな人は脳にいい」って言うけど、それって逆に言えば「不幸な人は脳が老けやすい」って言ってるわけで。じゃあ、今つらい思いしてる人は、さらに老化が進むのかって話になっちゃうんですよ。で、それって結構残酷なこと言ってませんか?って僕は思うんですよね。
つまりですね、「幸せでいることが大事」って言葉は、一見優しくて素敵に見えるけど、その裏で「不幸な人には救いがない」っていうメッセージにもなるんですよ。それはちょっと乱暴すぎると思いますね。
やってることって、要するに「昔から言われてること」なんですよ
「朝日を浴びましょう」とか、昭和の健康法じゃないですか?
本書で挙げられてる実践的な習慣って、「朝日を浴びる」「納豆を食べる」「音読をする」とか、どれも聞いたことあるものばっかりなんですよ。で、それを「脳にいい」って説明してるけど、正直言って、新鮮味がないんですよね。
たとえば「毎朝10分間、新聞を音読しましょう」って言ってるけど、今どき新聞読んでる人って、どれだけいます?そもそも紙の新聞自体がオワコン化してるわけで、それを使ったトレーニング方法って、現代的じゃないんですよね。
それより、YouTubeのニュース動画を見て、その内容を友達に説明する方がよっぽど実用的だと思うんですよ。音読の代わりに音声認識アプリで話してフィードバックを得るとか、そういうデジタルな脳トレの方が現代人には向いてるんじゃないですかね。
「新しいことに挑戦しよう」って、聞こえはいいけど中身がない
「新しい趣味を始めよう」とか「旅行に行こう」とかって、確かに脳に刺激があるかもしれないけど、それって「余裕がある人向け」なんですよ。時間もお金もある人じゃないと無理な話なんですよね。
しかも、旅行って疲れるし、準備もめんどくさいし、現地でトラブルに遭ったら逆にストレスになるじゃないですか。で、ストレスが脳に悪いって話なら、旅行でストレス溜めたら本末転倒なんですよ。
だから、「新しいことに挑戦しましょう」っていうアドバイスって、一見ポジティブに見えるけど、実はすごく雑で、万人向けじゃないんですよ。僕だったら、もっと地味でハードルの低いことを提案しますね。たとえば「普段使わない手で歯を磨く」とか、それだけでも十分脳に刺激になるんですから。
「社会的つながりが大事」って、ほんとですか?
人付き合いが苦手な人にとっては、ただの苦行です
「人と話すことが脳にいい」ってのも、本にはよく書かれてるけど、じゃあ、内向的な人は脳に悪い生活してるってことなんですか?って聞きたくなるんですよね。人との会話でストレスを感じる人にとっては、それってむしろ脳に悪い影響あるんじゃないの?と。
つまり、「人と話せば脳が活性化される」っていうのは、話すことが楽しい人にとっては正しいけど、そうじゃない人には逆効果でしかないんですよ。だから、それを全員に当てはめて「会話は脳にいいからしましょう」って言うのは、ちょっと短絡的すぎる気がします。
人と関わることで脳が刺激されるっていうのはわかるんですけど、それを「正しい生活習慣」として押し付けるのはどうなんですかねって思います。会話が苦手な人には、読書とか独り言でも十分脳に刺激があるわけで、要は自分に合ったやり方を見つける方が大事なんじゃないかと。
「孤独=悪」みたいな図式が、そもそも間違ってる
よく「孤独は健康に悪い」とか言われますけど、それって誰にとっての話なんですか?って思うんですよ。一人でいるのが好きな人って、意外とメンタル安定してたりするんですよね。で、そういう人に無理に「社会的つながりを持ちましょう」って言ったら、逆にストレスになって不健康になる可能性もあるんですよ。
つまり、孤独=悪っていうのは、あまりにも一面的な見方で、人にはそれぞれの性格や生き方があるわけで、それを一つの価値観で裁くのはナンセンスだと思うんですよ。
「良い習慣」って、実はコスパ悪い話なんですよね
努力とリターンのバランスが悪すぎる
で、ここから本質的な話なんですけど、「脳の老化を防ぐための習慣」って、要はめんどくさいことばっかりなんですよ。朝日を浴びる、納豆を食べる、スマホを寝る前に見ない、毎日運動する。これって一つひとつはシンプルだけど、全部やるとなるとまあまあ大変なんですよね。
で、その努力の割に「老化が少し遅れるかもしれません」って程度の効果しかないなら、ぶっちゃけ「それ、やる意味あるの?」ってなりますよね。コスパ悪いんですよ。つまり、「脳の老化を防ぐ」っていう目的のために、日常の楽しみや自由を制限するって、本末転倒じゃないですか?
しかも、「脳が若く保たれてるかどうか」って、数値で可視化しづらいじゃないですか。血圧とか体重みたいに数字で見えるもんじゃない。だったら「今日はちょっとボケてないかも?」っていう自己満足のために努力してるだけで、効果が実感しづらいんですよ。
それっぽい理屈に振り回される人生ってどうなんですか?
で、こういう「健康本あるある」って、たいてい「やらなきゃ不安になる」ようにできてるんですよ。寝る前にスマホを見たら「あ、脳が老ける…」って罪悪感を持たせる構造になってる。でもそれって、結局読者の不安を煽って、習慣を売ってるわけです。
こういう本を読んで「自分はちゃんと努力してる!」って思えるのは気持ちいいかもしれないけど、それが本当に自分の人生にプラスかっていうと、微妙なんですよね。脳が若返っても、やりたいことができない生活なら意味ないでしょって話。
だから、習慣に縛られるより、多少脳が老けても自由に生きた方が楽しくないですか?っていう考え方もアリだと思うんですよ。
脳科学って「なんでも正当化できる便利ツール」になってるよね
「脳にいいからやりましょう」って、ズルくないですか?
この本もそうなんですけど、最近の自己啓発とか健康系の本って、なんでもかんでも「脳にいい」って理由で正当化するんですよ。たとえば、「運動は脳にいいからやりましょう」「笑うことが脳にいいです」「感謝の気持ちが脳にいいです」って、要するに、道徳的な行動全部に脳科学的な裏付けをつけようとしてるんですよね。
で、それってすごく便利な言い訳になるんですけど、同時にすごく雑でもあるんですよ。脳にいいことって、本当に全員にとっても正しいんですか?脳が活性化すれば、それで本当に幸せになるんですか?って疑問が湧くわけです。
つまり、「脳科学」という言葉に説得力がありすぎて、みんな疑わずに受け入れちゃうけど、冷静に考えたら「それ、本当に因果関係あるの?」って話なんですよね。相関関係はあるけど因果関係は不明ってケース、めちゃくちゃ多いですから。
「科学っぽい=正しい」と思ってませんか?
これ、すごくよくある間違いなんですけど、みんな「科学的です」って言われると無条件に信用しちゃうんですよ。でも、その「科学的」って言葉の中身、ちゃんと精査してる人ってほとんどいないんですよね。
たとえば「MRIで調べたら、感謝の気持ちを持つと脳のこの部分が活性化しました」ってデータがあったとしても、それが「感謝するとボケなくなる」って意味じゃないんですよ。ただ、脳が反応してるだけ。そこに「人生の質が上がる」とか「老化が防げる」とか結びつけるのは、ちょっと飛躍しすぎだと思うんですよ。
なので、「科学的な根拠があります」って言われても、それが「生活の質を上げる行動」かどうかは別の話ってことです。科学的でも、自分にとって意味がないならやる必要ないと思いますよ、僕は。
じゃあ、どうすればいいの?って話ですけど
「気持ちよく生きる」ことが一番の脳トレなんじゃないですか?
結局ですね、どれだけ脳が若くても、人生が楽しくなければ意味がないと思うんですよ。だから、僕が考える「最高の脳トレ」は、楽しいことをやることです。それが人によって違っていいんですよ。
ゲームが好きな人はゲームやればいいし、漫画が好きなら漫画読めばいい。旅行が好きな人は行けばいいし、家にいるのが幸せな人はそれでいい。無理して「音読しなきゃ」とか「納豆食べなきゃ」とか思う方が、よっぽど脳に悪い気がしますね。
で、そういう「自分が楽しいと思えること」を見つけて、それを継続することこそが、脳にとって本当の刺激になるんじゃないかなと思ってます。
結局、「正解」は人それぞれなんですよね
「脳を老けさせないためにはこうしましょう」っていうアドバイスは、それ自体は悪くないんですけど、それを全員に当てはめるのは無理があります。人には個性があって、脳の使い方も違う。だったら、自分の性格とか生活スタイルに合った「脳に良さそうなこと」をちょっとずつ試してみるぐらいでいいと思うんですよ。
要は、「これが絶対正しい習慣です」っていうものは存在しないんですよね。だから、科学的な根拠があろうとなかろうと、自分にとって心地いいことをやる。それが一番合理的だと思いますよ、僕は。
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