医師が教える老けない習慣へのひろゆき流ツッコミ|若いと言われる人があたりまえにやっている16の老けない習慣 :レビュー

書評

若さを保つという幻想と現実

若さ=健康、という思い込みの落とし穴

まず、この本の主張をざっくりまとめると、「若々しく見えるためには、ホルモンバランス、食事、睡眠、運動を整えるべき」って話なんですけど、それって当たり前のことを小難しく言ってるだけなんですよね。健康に気をつければ若く見えるよ、っていうのは誰でも知ってる話で、それを16個に分けて並べただけです。で、それを「医学博士の言うことだから正しいんだ!」って思っちゃう人が一定数いるわけですよ。

でも、そもそも「若く見える」って何をもって判断するのかが曖昧なんですよね。顔のシワが少ないとか、肌のツヤがあるとか、歩き方がシャキッとしてるとか、人によって基準が違う。つまり、「若く見えるためにこれをしろ」って言っても、それが本当に効果があるのかどうかは、けっこう主観的な判断になっちゃうわけです。

ホルモンが減るのは当たり前、それに逆らうのは非効率

ホルモン分泌が減るから老ける、って話も、「だからどうすればいいの?」ってなるんですけど、実際にホルモンを増やそうとすると薬やサプリを使うしかなくて、それって本末転倒だと思うんですよね。自然の流れに逆らってまで若さを保つことに意味があるのかっていう。

35歳を過ぎたらエストロゲンが減るからイライラするって書いてあるけど、それって人間として当たり前のプロセスなんですよ。で、それを「イライラしないように運動をしよう!」って、まぁ分かるんですけど、イライラしたくないなら、まず生活環境を整える方が早いと思うんですよね。職場のストレスを減らすとか、家庭の問題を解決するとか。運動してる時間があるなら、他の根本的な原因に目を向けるべきなんじゃないかなと。

栄養と食事にまつわる「現代型栄養失調」の矛盾

「手軽な食事」が悪とされるのはちょっとおかしい

現代型栄養失調っていう概念も、「便利な食品ばかり食べてると栄養が偏る」っていう、まぁ分かるけどそれも一概には言えない話なんですよ。加工食品=悪、っていうイメージを持ちがちだけど、最近の冷凍食品やレトルトって栄養バランスも意外と考えられてたりするんですよね。

そもそも「毎日ちゃんとした食事をしよう!」って言ってる人に限って、めちゃくちゃ忙しくてコンビニでおにぎり買ってる矛盾があったりして。つまり、理想論を語ってるけど、実践するのが難しいって話なんですよ。で、それを実行できないと「あなたは努力が足りない」とか言われるのって、ちょっとしたマウンティングですよね。

糖質を悪者にするのは安直すぎる

あと糖質制限の話もそうですけど、最近の健康ブームって糖質をやたらと悪者にしすぎてる気がするんですよね。白米を玄米に変えろとか言ってるけど、玄米って消化に時間がかかるし、人によっては胃腸に負担になるんですよ。だから万人向けじゃないのに、あたかも正解のように語るのはちょっと乱暴じゃないですかね。

糖質って脳のエネルギー源にもなるし、朝にちゃんと摂る方が集中力が上がるってデータもあるのに、それを全部無視して「糖質は老けるからダメです」って言い切るのは、なんか雑だなと。

睡眠と運動に関する「正論」の限界

「ブルーライトを避けろ」って、それ無理ゲーじゃない?

睡眠の質を上げるために、就寝前にスマホを見ないようにしましょうって書いてありますけど、それって現実的に無理ですよね。今の時代、スマホを見ずに寝るなんてほぼ不可能に近い。仕事の連絡もLINEで来るし、寝る前にYouTube見てリラックスしてる人だって多い。

だから、ブルーライトがどうとかよりも、「スマホを見ても眠れるような生活リズムを作る」方が大事なんじゃないかなと。要は、1時間前に風呂に入るとか、寝る前に重たい食事を避けるとか、スマホ関係ない部分で工夫できることってあるんですよ。

運動を「楽しむ」って誰でもできると思ってる?

それから「運動を楽しもう」ってアドバイスもありますけど、運動が楽しいと思える人って、すでに健康に気を使ってる人なんですよ。運動が嫌いな人にとっては、それ自体がストレスになるんですよね。で、ストレスが増えると老けるっていう矛盾。つまり、「運動しないと老けますよ」って言いながら、その運動がストレスになってたら意味ないじゃんって話で。

僕なら、「毎日1分間だけストレッチして、その後にチョコ食べていいルールを作る」とか、報酬を用意した方が続けやすいと思うんですよ。運動が続かない人に「続けましょう」って言うのは、続けられる人が言ってるから説得力がない。

見た目の若さと中身の若さの違い

老化って「外見」だけの話じゃない

結局、この本って「見た目を若く保つ」ことにすごく重きを置いてるけど、それって本質からずれてると思うんですよね。年齢って見た目よりも中身の方が大事で、たとえば60歳でも新しいことにチャレンジしてる人って、すごく若く感じるじゃないですか。逆に、30歳でも毎日同じことしかしてない人って、老けて見える。

だから「若く見られたい」っていう欲望が強すぎると、自分の中身を磨くことよりも、表面だけ取り繕うことに必死になっちゃうんですよ。整形とか美容にお金かけてるのに、話すと全然面白くない人とか、けっこういますよね。

若さとは「考え方の柔軟性」

僕が思うに、若さって「考え方の柔軟性」なんですよね。新しい情報を受け入れて、自分の意見を変えることができる人は若いし、逆に「昔からこれが正しい!」って思い込んでる人は老けてる。だから、サプリを飲んだり運動したりするよりも、柔軟に生き方を変えていける方が、よっぽど若さにつながると思うんですよ。

ライフスタイルと意識のズレが老化を加速する

「やる気が出ない」のは老化じゃなくて意思決定疲れ

多くの人が「最近やる気が出ないんです」みたいな悩みを抱えてたりするんですけど、それって年齢のせいってよりも、日々の意思決定の回数が多すぎて脳が疲弊してるだけなんですよね。朝起きて何を着るか、朝食をどうするか、仕事で何から手をつけるかとか、小さな選択が積み重なって、脳がもう考えるのを拒否し始める。

この「決定疲れ」って、老化とは全く関係ないんですけど、多くの人が混同しちゃってる。で、「ああ、自分はもう年なのかも」って自己暗示かけて、ますますやる気がなくなるという悪循環。要は、決めることを減らして、生活をルーチン化すれば、やる気って勝手に戻ってくるもんなんですよ。

「頑張る系アンチエイジング」は持続しない

この本では16個の「習慣」が紹介されてて、どれも納得できる内容なんですけど、問題はそれを「全部やろう」としちゃうところにあるんですよね。で、頑張りすぎて続かなくて、「自分は意志が弱い」と落ち込む。これってすごく非効率なんですよ。

結局、続けられない習慣には意味がないわけで、むしろ「最低限ここだけはやる」っていうラインを決めた方が良い。たとえば、「毎日納豆を食べるだけ」とか。これくらいシンプルなら、疲れてる日でもなんとかできる。だから、完璧主義のアンチエイジングは逆効果って話です。

情報の氾濫と信頼性の問題

「医学的エビデンス」って本当に信用できる?

この手の健康本って「医学的に証明された」とか「研究で分かった」とか書かれてるけど、その研究って誰がどうやってやったかまで見てる人って少ないんですよね。で、ちょっと調べてみると、「サンプル数が10人」とか「スポンサーがサプリ会社」とか、偏りのあるケースが結構ある。

要は、都合のいい研究結果だけを引っ張ってきて「科学的」と言ってるだけの話も多いんですよ。それに気づかずに、「これをやれば若返るらしい!」って踊らされる人が後を絶たないのは、ちょっと怖いなと思いますね。だから、何かを信じる前に「それって誰が言ってるの?」って視点を持つのが大事です。

「SNSで見た情報」が一番の老化要因かも

あと、現代人の老化を早めてる一番の要因って、もしかしたらSNSかもしれないですよね。誰かの「美肌ルーティン」や「健康朝食」みたいな投稿を見て、「自分もやらなきゃ」と焦ったり落ち込んだりする。それって精神的にかなり消耗するんですよ。

で、その焦りや不安って、結局ストレスになって、体にも影響を与える。つまり、「情報を取りすぎること」が老化を加速させてるという皮肉な現象が起きてるんですよね。だから、本当に若さを保ちたいなら、「何をするか」よりも「何を見ないか」「何を信じないか」が大事だったりします。

じゃあ、どうすればいいの?

「やらなくていいこと」を明確にする

人間って、やるべきことをリストアップするのは得意なんですけど、「やらなくていいこと」を決めるのは苦手なんですよ。でも、アンチエイジングとか健康って、「引き算」の方が効果あると思うんですよね。

たとえば、夜遅くまで働くのをやめるとか、ネガティブな人間関係を切るとか。そういう「ストレス源を減らす」ことの方が、よっぽど健康に良いのに、それは見落とされがち。だから、この本の内容も、「何を足すか」じゃなくて、「何を引くか」に変換して考えると、もっと実践しやすくなるんじゃないかなと。

「若く見える」ことにこだわらない自由

最後に、「若く見える」ことにこだわりすぎると、人生の自由度が下がるってことを言いたいんですよ。見た目を保つために外食を断ったり、夜のお誘いを断ったり、すべてをコントロールしようとすると、人生が息苦しくなっちゃうんですよね。

それって本末転倒じゃないですか。若く見えるために、若者みたいな生活を捨ててるって矛盾。だから、「老けること」をもっと自然に受け入れて、「でも自分らしく生きてる」って方が、かっこいい大人に見えるんじゃないかなと思います。

結論:健康の本質は「自分で考える力」

この本はとても実践的なアドバイスが詰まってますし、医学的にも納得できる部分が多いです。ただ、それを鵜呑みにせず、自分にとって本当に必要なものを取捨選択することが大事。

つまり、「若さを保つ習慣」って、他人の意見に流されずに自分の頭で考える習慣のことなんですよ。そうやって、自分の判断で生きていくことができれば、見た目以上に「中身が若い」ってことになるんじゃないかと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました