自然信仰という思考停止
自然=安全の幻想
うん、まずこの本のテーマである「自然だから安全」という誤解についてですね。これ、すごく日本人にありがちな思考なんですよ。要は「天然素材は安心、化学合成は危険」みたいな二元論に簡単にハマっちゃう人が多い。だけど自然界の毒って化学物質よりよっぽどヤバいもの多いんですよ。トリカブトとかフグ毒とか。結局、人間の体は化学反応の塊なわけで、自然か人工かなんていうのは本質的にはどうでもいい話です。
たとえば蜂蜜のボツリヌス菌の話、これ知らない親って結構いるんですよね。でも自然だからいいと思い込んで赤ちゃんに与えてしまう。結果、最悪死に至るケースもあるわけで。自然信仰がいかに危険な思考停止を生むかっていう象徴的な事例です。
抗酸化物質の誤解と過剰摂取のリスク
抗酸化物質に過剰な期待を寄せるのもフードファディズムの典型です。β-カロテンの研究でも明らかになってますけど、喫煙者における肺がんリスクがむしろ上がったと。つまり「多ければ多いほど良い」は幻想なんですよ。僕の感覚でいうと、人間って極端な思考が好きなんですよね。「良いらしい→もっと摂ろう→過剰摂取で逆効果」というコントが延々と繰り返されるわけです。
実際、普通の食事してたらサプリメントなんて必要ないんです。でも広告の影響で「飲んだほうが安心」みたいな心理に乗せられちゃう。結局、冷静に考える頭を持てるかどうかだけなんですよ。
フードファディズムの蔓延
メディアとSNSの罪
ブルーベリーの話とかまさにそうですけど、ビルベリーの研究結果を勝手に「ブルーベリー全般が目に良い」にすり替えたんですよね。こういうのは意図的な誤解誘導なんです。テレビや雑誌の健康情報なんてスポンサーありきですから。事実よりも話題性と視聴率が優先されるのは当然です。
SNSはもっとタチが悪い。個人が根拠もなく適当な情報を拡散して、それが真実みたいに一人歩きする。で、専門家が否定しても「既得権益が隠そうとしてる」とか陰謀論に走る人まで出てくる。これ、もはや宗教なんですよ。だから僕は昔から「ネットの情報を鵜呑みにするな」って言い続けてるわけです。
プラセボ効果を理解する
一方でプラセボ効果ってのも侮れないんですよね。水素水なんか典型例です。「効く」と思い込むことで実際に症状が軽くなる人もいる。でもそれはあくまで心理的効果であって、物質そのものに効果はないんです。なので僕のスタンスは「プラセボでも本人が幸せなら否定はしないけど、他人に押し付けるな」です。
これを理解せずに「水素水は万能」みたいに広める人はただの詐欺の片棒担いでるわけです。結局、科学リテラシーがあるかどうかって話に戻ってくるんですよ。
健康食品のリスクと品質問題
サプリメントは誰がチェックしてるのか
この本でも言われてますけど、健康食品って基本的に自己責任なんですよ。医薬品みたいに厳しい審査があるわけじゃない。国民生活センターの調査でも成分表示と実際の含有量が全然違う商品が多数あったと。要はメーカーの良心に任せてるだけってことです。
僕の考えでは、これはもう制度設計の問題です。利用者にすべての責任を押し付けて放置するなら、もっと消費者教育に力を入れないと。さもないと、詐欺まがいの商品がいつまでも野放しになるんですよ。
過剰摂取と非現実的な期待
玉ねぎ50キロ食べたら糖尿病に効くとか、誰がそんな量食べるんだよって話です。でもこういう研究結果を都合良く切り取って宣伝するのが今のマーケティングの手口なんです。結局のところ、普通の食事と適度な運動が最強の健康法なんですよ。サプリに頼る時点で本質からズレてると僕は思ってます。
うん、前半としてはこの辺にしておきます。。続きを出しますか?
健康情報との向き合い方
情報リテラシーの欠如
結局のところ、日本人に限らず多くの人は「情報を鵜呑みにするクセ」が抜けないんですよ。テレビで言ってたから、SNSでバズってたから、という理由で信じちゃう。でも本来は「誰が何の目的でこの情報を発信しているのか?」と疑うべきなんです。僕もよく言ってますけど、「情報の受け手がバカだと発信者が詐欺師でも気づかない」ですから。
たとえば健康食品の広告。あれは「効果があるかのように見せる」プロが作ってるわけです。エビデンスの信憑性とかは二の次。だからこそ個人が学ぶしかない。要は知識が最大の自己防衛なんですよ。
疑わしい情報への対処法
僕が実践してるのは「一時情報にあたる」「専門家の意見を複数見る」「論文などのデータを見る」というシンプルな方法です。例えば「○○でガンが治る」みたいな話が出たら、まずPubMedとかで論文検索します。で、ちゃんとした大規模研究がなければ「はいデマ」と判断する。
こうやって「騙されない習慣」を身につけることが現代では超重要。SNSやネットが普及した分、昔より詐欺の情報が100倍速で広まる時代ですからね。
バランスの取れた生活こそが最適解
サプリメントより食事と運動
僕の個人的な意見ですが、サプリメントや健康食品に頼る時点でだいたい負けです。そもそも人間の体は何百万年も「食べ物」で作られてきたわけで、そこに人工的に作った錠剤を入れたからって何が劇的に変わるの?って話です。
野菜や果物をいろんな種類で摂って、適度に運動して、しっかり寝る。要は昔ながらの生活を続けるのが一番効果的だと僕は思ってます。健康情報に踊らされてる人ほど、不健康になっていくという皮肉な現象もありますよね。
健康オタクの罠
あとよくいるのが「健康オタク」の人たち。いろんな健康法を試して、サプリや機能性食品を買い漁って、それが生活のストレスになってる。本末転倒ですよね。健康って結局は「病気にならない体を作ること」なのに、その過程で精神的に追い詰められてたら意味ないです。
つまり、ほどほどが一番。これが僕の出した結論です。
なぜこの問題が起き続けるのか
人間の思考のクセ
この問題の根本は「人間の思考パターン」にあります。要は「簡単な答えが欲しい」っていう本能。生活習慣を変えるのは面倒だけど、サプリ飲むだけなら楽だし「やってる感」が得られる。そこにビジネスがつけ込む構図です。
人間の本能に逆らうのは難しいですけど、「だからこそ論理的に考える訓練が必要」だと僕は考えてます。何事も「これで本当に問題は解決するのか?」と自分に問いかけるクセを持つだけで、だいぶ違う結果になります。
制度と教育の問題
最後に、こういった問題がなぜ放置されるかというと制度と教育の欠如です。健康食品は医薬品ではないので規制が緩い。その分、自己責任が求められる。でも日本の教育では情報リテラシーなんてほとんど教えられない。だから詐欺まがいの健康商品が野放しになっている。
僕が思うに、義務教育の段階で「フェイク情報の見抜き方」「科学的根拠とは何か」を教えるべきです。それができれば、多くの詐欺は未然に防げるはずです。
結論
この本はそうした社会の問題点に対して「思考停止するな」「疑え」「情報は自分で確かめろ」という極めてシンプルで本質的なメッセージを投げかけています。僕も基本的に同意です。だからこそ「自然だから安全」「サプリを飲めば健康」みたいな単純化された答えを信じるのではなく、面倒でも自分の頭で考えて判断する習慣をつけるべきだと思います。
結局、健康も情報も「自分の責任で管理する」という考え方が一番合理的だし、僕はこれからもそうやって生きていくつもりです。。
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