食べても太らない法を論破!本当に痩せる?|食べても食べても太らない法―――読んでるうちに「ムダな食欲」が消えていく! :レビュー

書評

「食べても太らない」は本当に理にかなってるのか?

我慢よりも「食べる」がいいって、結局ストレス社会の産物なんじゃないの?

この本が言ってる「食べながらやせる」って、要は「我慢するな」って話なんですよね。で、我慢するとストレス溜まって、逆に過食しちゃうから、だったら最初からちゃんと食べとけと。うん、理屈としてはわかるんですけど、それって結局、食欲に振り回されてる前提なんですよね。

要するに、「食べたい」という欲望をコントロールできない人が多いから、それなら食べ方で工夫しようよっていう、「諦めの戦略」なわけです。で、そういう考え方って、実はすごく現代っぽいんですよ。SNSで誘惑が多くて、仕事もストレスフルで、寝不足で。そんな中で「我慢しろ」って言われても無理だよねっていう人たちがターゲットなんですよ。

でもそれって、「根本的な解決」ではないんですよね。むしろ、「自分の感情に逆らえない人がどうやってそれをごまかすか」っていう対処療法なんです。だから、根本的に自制心を持てるようになる方向で努力した方が、僕はいいと思うんですよね。

スイーツはシュークリームにしようって、それって本質的?

「ケーキよりシュークリームの方がカロリーが低いから、そっちを選ぼう」っていうアドバイスがあるんですけど、これもなんというか、「選択肢の中でマシな方を選ぶ」って話であって、「そもそも甘いものが欲しくなるメンタルとか習慣」を変える話じゃないんですよ。

つまり、たとえばタバコやめたい人に「紙巻きより加熱式の方が害が少ないからそっちにしよう」って言ってるのと同じで、根本的には「やめる」という方向じゃなく、「悪いけど少しマシ」みたいな発想なんですよね。

それって結局、自分を変える覚悟がない人が、「でも今のままなんとかしたい」っていう願望をかなえるロジックでしかないと思うんですよ。うん、たしかにシュークリームの方がカロリー低いですよ。でも、それ食べたあとに「また食べたくなる」っていう構造が残ってる限り、長期的に見て太らない保証ってないと思うんですよ。

腸内環境とホットミルク信仰の正体

ヨーグルト神話と「善玉菌さえ取ればOK」みたいな風潮

ヨーグルトを食べれば腸内環境が整って、便通が良くなって、お腹もへこむっていう話。で、それが毎朝100gのプレーンヨーグルトだと良いよって書いてある。うん、まあ、それで改善する人がいるのは事実だと思います。でも、ここで大事なのは、「個人差がある」ってことなんですよ。

人によって腸内環境って全然違うし、同じ乳酸菌でも相性があるんですよ。なのに「とにかくヨーグルト食べとけ」っていうのは、結局、思考停止してる人向けのテンプレアドバイスなんですよね。で、それに飛びつく人って、「簡単で分かりやすい解決法がほしい」っていう人なんです。だから、腸内環境を本当に整えたいなら、何が合うのか試行錯誤しないとダメだと思いますよ。

あと、ヨーグルトって普通に糖質多いし、選び方間違えたら逆に太る原因になるんですよ。だから、「プレーン」っていう縛りがあるわけだけど、そこを守れる人って意外と少ないんですよね。結局「イチゴ味の方が美味しいから」って言って買っちゃう人、多いと思いますよ。

ホットミルク飲んで寝ると痩せるって、迷信じゃないの?

寝る前にホットミルクを飲むと熟睡できて、成長ホルモンが出て脂肪が分解されるって書いてあるんですけど、それってどこまで科学的根拠があるのか、ちょっと怪しいんですよね。

たしかにミルクにはトリプトファンっていうアミノ酸があって、それがメラトニンの材料になって眠りを誘うってのはある。でも、その効果って結構微々たるもので、実際にそれで劇的に睡眠が変わるかっていうと、そこまでじゃないと思うんですよ。うん、プラセボ効果も込みで「眠れる気がする」って人はいるかもだけど、それをダイエットの根拠にするのはちょっと論理が飛躍してる。

それに、寝る直前に液体を取るとトイレに起きやすくなる人もいるし、冷え性の人は逆に体を冷やす可能性もあるんですよね。だから、「誰にでも効く」ってわけじゃなくて、むしろ「合う人には合う」ぐらいのスタンスでいいと思うんですよ。

「食べる順番」がもたらす幻想

ゴボウを先に食べることで本当に痩せるのか?

食べる順番を変えることで満腹感が得られて、結果として食べ過ぎを防げるって理屈はまあ理解できます。でも、これって要は「咀嚼時間が増えるから」ってことなんですよね。じゃあ、別にゴボウじゃなくてもよくない?って話なんですよ。

それに、ゴボウを毎回食事の最初に食べられる環境の人って、どれぐらいいるんでしょうか?職場のランチでゴボウサラダが毎回出るわけじゃないし、自炊しない人だったらそもそも無理ゲーなんですよ。結局、「健康本のアドバイス」って、実行可能性を無視してることが多いんですよね。

あと、そもそも「噛む回数が増えれば食欲が抑えられる」っていうなら、食事全体をよく噛めばいい話で、「特定の食材にこだわる必要性」ってそんなにないと思うんですよ。それを「ゴボウがいい」って断定してる時点で、なんか商業的な意図を感じるんですよね。

朝食とキャベツ信仰に潜む「信じたい人たち」の心理

朝食を食べれば痩せるという「幻想のルーティン」

この本では「朝食をきちんと取ることで、その日一日の食欲がコントロールされる」って主張してるんですけど、それって実際は「朝食を食べる派」の人たちの都合のいい論理なんですよね。

要は、「朝食を食べない人は昼にドカ食いしがち」っていうパターンに依存してるだけで、全員がそうなるわけじゃないんですよ。むしろ最近では「間欠的ファスティング」とかいって、朝を抜くことで血糖値の安定や脂肪燃焼を促すっていう方法も流行ってますよね。

だから、「朝食は絶対に必要」という固定観念自体が、ちょっと古いんですよ。朝からガッツリ食べた方が集中できる人もいれば、逆に胃が重くなってパフォーマンス下がる人もいる。つまり、「自分の体質や生活に合ったリズム」を作ることの方が重要で、「とにかく朝ごはん食べろ」っていうのは、あまりにも単純化されすぎてる気がします。

キャベツでリセットって、結局カロリー計算の逃げ道じゃないの?

「食べすぎた翌日はキャベツ1/4玉でリセットしよう」っていう話。うん、たしかにキャベツってカロリー低いし、食物繊維もあるし、満腹感も得られる。理屈としてはわかります。

でもそれって結局、「昨日食べすぎたけど、今日は帳消しだからいいよね?」っていう、言い訳ループの始まりなんですよね。つまり、「今日は我慢したから、明日はまた食べてもいいよね?」っていう思考が染みつくと、結局痩せないんですよ。

この「チャラにできる」という感覚は、人間の甘えを助長するだけで、長期的な食習慣の改善にはつながらない。だから、「帳尻合わせでなんとかなる」という考え方を続けている限り、リバウンドのリスクは消えないと思います。

タンパク質推しと「何を食べるか」信仰の罠

「タンパク質さえ取れば痩せる」は雑すぎる

この本では「肉や魚、大豆製品を毎日食べてタンパク質を取ろう」って繰り返してるんですけど、それって結構雑なアドバイスだと思うんですよ。だって、タンパク質って筋肉を作る材料ではあるけど、それが直接「痩せる」わけじゃないんですよ。

「代謝が上がる」って話も、筋肉量が増えない限りは実際そんなに大きな影響ないですし、そもそも運動してない人がタンパク質だけ取っても、効果って限定的なんですよ。結局、そこに運動習慣がなければ「ただの高カロリー食」になる可能性もあるわけです。

「何を食べるか」ばっかり考えて、「どう生きてるか」を見落としてる時点で、健康とかダイエットって本質からズレてると思うんですよね。だから、「とにかくタンパク質!」みたいなブームに乗る前に、自分のライフスタイルをちゃんと見直した方がいいと思います。

栄養だけで解決する時代はもう終わってる

かつては「何を食べれば健康か?」っていう視点だけでよかったんですけど、今って睡眠とかストレスとか、運動とか、総合的なバランスが問われる時代なんですよ。それなのに、「この食材がいい!」みたいな情報に飛びつく人が未だに多い。

要は、「簡単な答え」を求めすぎなんですよね。世の中の健康情報って、だいたい「〇〇すればOK」っていうフォーマットに乗せてきますけど、それに乗っかってる限り、本当の意味で自分の体と向き合うことってできないと思うんですよ。

結局、「ムダな食欲」って何なの?

食欲をムダと切り捨てるのは、人間を否定してない?

この本のタイトルにもある「ムダな食欲が消えていく」って言い方、けっこう違和感あるんですよね。だって、人間の欲望って、そもそも理屈じゃない部分が大きいじゃないですか。生きるための本能でもあるし、楽しみでもあるし、文化でもある。

それを「ムダだから排除しよう」っていうのは、ちょっと極端すぎると思うんですよ。たしかに過食とか依存に陥るのは問題だけど、それって「コントロールする力を育てる」方向でやるべきであって、「欲を消す」っていう発想は、むしろ不健全なんじゃないかなと。

あと、「ムダ」と言ってる時点で、ものすごく効率主義的な価値観がにじみ出てるんですよね。効率だけが正義ってわけじゃないし、多少の無駄があるから人生楽しいって面もあると思うんですよ。

感情と向き合う訓練こそが本質的な解決

結局のところ、「ムダな食欲」って感情なんですよね。ストレス、不安、退屈、そういった感情が原因で「食べたい」ってなる。その感情とどう向き合うかが、ダイエットや健康の本質であって、食材の選び方とか順番っていうのは、その補助輪にすぎないんです。

なのに、多くの人が「補助輪」だけで走ろうとするから、うまくいかない。だからこそ、まずは自分の生活習慣とか、ストレスの原因を見つめ直して、それを解消するための行動をとる方が先なんですよね。

この本が示すテクニックも、それはそれで参考になるとは思います。でもそれを盲信せず、「なぜ自分はそれを実践したいのか?」っていう視点を持たないと、また次の「ダイエット本」に飛びつくだけの繰り返しになると思いますよ。

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