40代から太らない体へ!若返り習慣の真実|40代からの「太らない体」のつくり方――若返りホルモン「DHEA」が若さを決める! (知的生きかた文庫) :レビュー

書評

太らない体の真実:ホルモンに頼ることのリスク

「DHEAを増やせば若返る」は本当か?

要はですね、「DHEAさえ増やせば若返る」みたいな言説って、ちょっと楽観的すぎるんですよね。確かにDHEAって副腎から出るホルモンで、年齢とともに減っていくし、それに伴って筋力が落ちたり脂肪がつきやすくなったりするのは事実なんですけど、それを逆にして若さを保つっていうのは、まあ理屈としては分かるけど、それを生活習慣の中でどう維持するかって話になると、結構大変なんですよ。

DHEAの分泌って、遺伝的な要因も大きいし、ストレスや睡眠の影響も受けやすいので、「ウォーキング10分でホルモン増えます!」みたいなことを言われても、「いや、それ本当に因果関係あります?」って思っちゃうわけです。そもそも、DHEAの分泌が高い人は元々健康的な生活してる場合が多くて、生活改善が原因なのか、DHEAが原因なのかよく分かんないですからね。

若返り=見た目と体重?

それと、「若返る」っていう言葉、便利なんですけど、曖昧すぎて本質が見えにくくなるんですよ。「体重が減ったから若返った」っていうのは、要は見た目がすっきりしたってことですけど、見た目の若さと体の機能って別物なんですよね。代謝が高いとか、内臓年齢が若いとか、そっちの方が本質的に健康ですけど、体重だけ見て一喜一憂するのって、ダイエット商法の思う壺なんですよ。

結局のところ、DHEAだろうが抗酸化物質だろうが、そういう一個の成分に注目して「これさえやれば若返る」って言い方するのって、僕から見るとかなり雑で、ちょっと危険だと思うんですよね。世の中そんなに単純じゃないので。

生活習慣の見直しは正しいけど、それで全て解決しない

基礎代謝の低下って、避けられないことなんですよ

40代から代謝が落ちるのは、ほとんどの人に共通する事実で、これはもうしょうがないことなんですよ。だから「基礎代謝を維持しましょう」って言っても、20代の時と同じ体を維持するのは無理なんですよ。無理なのにそれを理想にしているから、みんな無駄に自己嫌悪になったり、変なダイエットに走ったりするんです。

それって結構コスパ悪いですよね。年齢を受け入れた上で、現状の中でどうやって健康に近づけるかを考えるべきなんですけど、理想を昔に置いてる時点で、ちょっとズレてるんですよね。

「睡眠」「運動」「食事」が大事って、当たり前すぎる話

あとですね、睡眠をちゃんと取りましょう、有酸素運動をしましょう、ストレスを管理しましょうっていう話、全部正しいんですけど、当たり前すぎて逆に響かないんですよ。要は、耳タコ状態ですよね。

それで実際に生活を変えられる人って少数派で、大半の人は「やろうと思ってるけどできない」って状態で止まってる。つまり、正論を突きつけられても人は動かないんですよ。

だから、こういう健康本が言ってることって、「正しいけど実行できないことリスト」になりがちで、結局読んだだけで満足して終わるんですよね。それって意味あるのかなって思うんですよ。

「抗酸化物質」「低GI」「筋トレ」――やること多すぎ問題

やらなきゃいけないことが多すぎると逆効果

「ニンジン食べて」「11時に寝て」「筋トレして」「GI値を意識して」「間食やめて」「ストレッチして」「歩け」って、あの、指示が多すぎません? これって、やろうとするだけで疲れるやつですよ。

やることが細かくて多すぎると、人間って逆に何もやらなくなるんですよ。全部やらなきゃって思って、どれもできなくなる。で、最終的に「もういいや」ってなる。

だから、本当に必要なことを絞って、「これだけはやろう」っていう設計にしないと、人間って続けられないんですよね。要は、「完璧を目指すと失敗する」っていう当たり前の話なんですけど、それがこの手の本には抜け落ちてることが多いです。

「若返りホルモン」の言い方がマーケティング臭すぎる

DHEAのことを「若返りホルモン」っていうネーミングしてる時点で、ちょっと僕は引っかかるんですよ。だって、そういう呼び方って完全にマーケティングのためじゃないですか。

本来、DHEAってかなり複雑な働きをしてるホルモンで、増えすぎたら問題になるケースもあるんですよ。ホルモンってバランスの問題なので、多ければいいってもんじゃない。

それを「若返り!」っていう言葉で単純化して、消費者を煽ってる感があるんですよね。で、それに乗っかってサプリ売ったり健康法を紹介したりするって、ちょっと商売臭がしすぎてて、僕はそういうのあんまり好きじゃないんですよ。

要するに、「努力でなんとかなる」のウソ

1%の努力で変わる?いや、ほとんど変わらない

この本の根底にあるのって、「ちょっとの生活習慣改善で劇的に体が変わる」っていう幻想なんですよ。で、それが本当ならみんな既に痩せてるし、健康なんですよ。でも、現実はそうじゃない。

だからこそ、1%の努力で変わるって言われても、「いや、その1%ができないから困ってるんじゃん」って話になるんです。

人間って基本的に怠惰なので、根性論とか意識高い系のアドバイスって、結局長続きしないんですよ。だから、本当に変わるためには、「やらなくてもいい仕組み」を作る方が大事なんですよね。食べ過ぎないようにお菓子を買わないとか、運動したいならジムに行くよりも犬を飼って散歩する方が自然だし、楽なんですよ。

結局のところ、習慣って「意識」じゃなくて「環境」で決まるんですよ。そこをすっ飛ばして、「頑張れば変われる」って言われても、「それって本当に現実見てます?」って思っちゃいますね。

健康神話の裏にある“諦め力”の重要性

「完璧な健康体」を目指すこと自体が間違い

結局のところ、完璧な健康状態って存在しないんですよ。睡眠も運動も食事も全部完璧に管理して、なおかつストレスゼロでDHEAもバランス良く分泌されてますなんて人、ほぼいないですからね。そんなに頑張っても、事故に遭ったら意味ないし、遺伝とか環境要因で左右されることの方が多いです。

つまり、全部を自分の努力でコントロールしようとする発想が、もう無理ゲーなんですよ。じゃあどうするかというと、「まあ、これくらいでいいか」っていう“諦め力”を持った方が、結果として長続きするんですよね。完璧を目指さないからこそ続けられるし、そこにストレスがないからこそ健康に近づける、っていう逆説的な話なんです。

体重よりも「生き方」を最適化すべき

太らない体をつくるって話をしてると、みんな「何キロ痩せたか」にばっかり注目しがちなんですけど、正直、体重の数字ってどうでもいいんですよ。筋肉がある人は重くなるし、軽くても病的に痩せてる人もいる。

だから、目指すべきなのは「何キロになるか」じゃなくて、「どういう生き方をするか」なんですよ。楽しく歩いて、美味しく食べて、よく眠って、たまに笑う、そういうライフスタイルが結果的に健康を保つわけで、「DHEAの数値がどうこう」っていうのは手段の一つでしかないんですよね。

それを目的化しちゃうと、結局また数字に囚われて苦しくなって、元に戻るっていうループに入るんですよ。だから、「生き方の最適化」っていう視点の方が、長期的には意味があると思いますね。

医療・サプリ・運動ビジネスとの距離感

医療やサプリを「信じすぎる人」が搾取される構造

この本に限らずですけど、「ホルモン」っていうワードって、医療とサプリ業界がめちゃくちゃ好む言葉なんですよ。DHEAもその一つで、実際に海外ではDHEAサプリが結構売られてます。でも、それって本当に効果あるかどうか、ちゃんとしたエビデンスが出てるかっていうと、結構グレーなんですよ。

それでも「若返り」っていう言葉に釣られて買っちゃう人が一定数いるから、ビジネスとしては成立する。で、それって完全に「信じた人が損をする」構造なんですよね。ある意味、宗教に近いんですよ。信じれば救われる、みたいな。

僕は、健康情報って「疑ってかかる」ぐらいがちょうどいいと思ってて、特にホルモンとかサプリに関しては、「それ、本当に意味あるの?」って思った方が冷静でいられるんですよ。

運動ビジネスにも冷静にツッコミを

「1日3回、10分歩きましょう」っていうアドバイス、理にはかなってるんですけど、それを言い続けてるだけで飯が食える業界の人たちがいるわけですよ。フィットネス業界って、実はすごく儲かるんです。人の「変わりたい」という欲望を利用して、サブスクで課金していく。で、実際に痩せた人はごく一部で、大半は幽霊会員になる。

つまり、「痩せたい人が金を払うけど変わらない構造」で回ってるビジネスって、まあ商売としては正しいんですけど、ユーザーとしては搾取されてるわけですよね。そういう構造を知ってるかどうかで、騙される側か、使う側かが決まると思うんですよ。

持続可能な健康法とは何か?

やらなくて済む工夫が一番強い

結局、健康法って「やらなきゃいけないこと」じゃなくて、「やらなくても済む仕組みづくり」の話だと思うんですよ。食べ過ぎたくないなら、家にお菓子を置かない。運動したいなら、運動しなきゃいけない状況を作る。たとえば、毎日犬の散歩をするとか、通勤で強制的に歩く距離を作るとか。

こういう仕組みを作っちゃえば、意識しなくても続くんですよね。人間って怠け者なんで、意識に頼るとすぐ失敗する。でも、習慣って環境に左右されるので、環境さえ整えてしまえば、気合いも根性もいらない。

僕が「1%の努力」で言いたかったのもそこなんですよ。頑張るんじゃなくて、「頑張らなくていい状況を作る」方が圧倒的に賢いんです。

不完全であることを肯定する力

そして最後に重要なのは、「不完全な自分を受け入れる」ことなんですよね。体型がちょっと崩れてきたからって、自分を責めたり、20代の体を目指したりしても意味ないんです。今の自分をどううまく活かして生きるかの方が、ずっと現実的です。

「太りにくい体」を目指すより、「ちょっと太ってても元気に生きてる自分」を認める方が、精神的にも安定するし、健康にも近づく。要は、理想のために自分を否定するんじゃなくて、現実の自分とどう付き合うかを考えた方が、人生そのもののクオリティは上がるんですよ。

だから僕は、「DHEAで若返り!」とか言ってるのを見ると、「それって本質じゃないよね」って思っちゃうんですよね。

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