判断力を鍛える最適解は本当にインバスケット思考?|究極の判断力を身につけるインバスケット思考 :レビュー

書評

うーん、この本って要は「時間制限を設けて効率的に判断する力を鍛えましょう」って話ですよね。で、それを「インバスケット思考」とかいう名前つけて、それっぽくまとめてるわけです。でも、これって普通に仕事してたら自然と身につくことじゃないですか? わざわざ本読んで学ぶことなのかなって思うんですよね。

インバスケット思考は本当に役に立つのか?

判断力ってトレーニングで鍛えられるの?

要は、この本が言いたいのは「短時間で多くの情報を処理し、適切な判断を下す能力を養いましょう」ってことですよね。でも、そもそも判断力ってトレーニングで鍛えられるものなんですかね? 例えば、将棋のプロ棋士とかって、判断力がめちゃくちゃ高いわけですけど、彼らがやってるのって基本的には「何千回も同じような局面を経験して、それに対して最適な答えを導き出す」ってことなんですよ。つまり、判断力ってのは「経験の積み重ね」であって、「短時間で考えさせるトレーニング」みたいなものじゃ劇的には変わらないと思うんですよね。

もちろん、ある程度の改善はできるかもしれませんけど、結局のところ「たくさんのケースをこなした人」が一番強いんですよ。だから、実際の仕事の中で経験を積んでいくほうが、インバスケット思考を鍛えるよりもよっぽど有効なんじゃないですかね。

「時間制限をつける」のは本当にいいの?

で、この本が推奨してるのが「時間制限の中で判断する」ってことなんですけど、それって逆にミスを誘発する要因にもなるんですよね。人間って、焦るとろくな判断できないんですよ。例えば、コンビニのレジで「早くしなきゃ!」って焦ると、ミスが増えたりするじゃないですか。それと同じで、「短時間で処理すること」を優先しすぎると、結果的にミスを増やす可能性が高くなるんですよ。

もちろん、仕事っていうのは時間との戦いなので、スピーディーに処理することは大事ですけど、「急ぐこと」と「正しい判断をすること」は別物なんですよね。「火事場のバカ力」みたいなのを引き合いに出してますけど、あれって一時的なもので、常に発揮できるわけじゃないんですよ。もしそうなら、世の中の人間はみんなスーパーマンになってるはずですからね。

「優先順位をつける力」はそんなに特別なもの?

重要度と緊急度の基準は本当に正しいの?

この本では「優先順位をつけて仕事を処理することが大事」って言ってますけど、そもそも優先順位をつける基準って人によって違うんですよね。例えば、ある会社では「顧客対応が最優先」だけど、別の会社では「社内のプロジェクトを優先しろ」みたいなルールがあったりするじゃないですか。

結局、「何が重要か」っていうのは、その時々の状況や環境によって変わるんですよ。だから、「これが正しい優先順位のつけ方です!」みたいに一律のルールを決めること自体がナンセンスなんですよね。仕事の優先順位なんて、その場その場で考えればいいだけの話で、「こういうフレームワークがあります!」みたいなものを学ぶことに、どれだけ意味があるのか疑問ですね。

「緊急だけど重要じゃない仕事」をどうするか

この本では「緊急だけど重要じゃない仕事を後回しにするべき」と言ってますけど、それって結構危ない考え方なんですよね。例えば、「メールの返信は後回しにしてOK!」って言って、重要な取引先からのメールをスルーしてしまったら、それが原因で大きな取引が飛ぶ可能性だってあるわけですよ。

要は、「何が重要で、何が緊急なのか」を事前に完璧に判断することはできないんですよね。だって、未来のことなんて誰にもわからないじゃないですか。だから、「緊急だけど重要じゃない仕事」を軽視しすぎると、思わぬ落とし穴にはまる可能性があるんですよ。

本質的な問題解決力ってそんなに必要?

「問題の根本原因」を追求するのは本当に効率的?

この本では「表面的な問題だけじゃなく、根本原因を見抜いて解決しましょう」って言ってますけど、それって結構な時間がかかるんですよね。例えば、「部下のミスを表面的に処理するんじゃなくて、教育不足を見抜きましょう」っていう話がありますけど、そんなことを毎回やってたら、仕事が全然進まないんじゃないですか?

実際のところ、「とりあえず目の前の問題を片付ける」っていうやり方のほうが、ビジネスの現場では求められることが多いんですよね。特に、短期的な成果を求められる会社だと、「根本的な解決策を考えてる時間があるなら、さっさと動け」って話になりがちです。

「意思決定力」は環境に左右される

あと、この本では「意思決定力を鍛えましょう」って言ってますけど、それって結局のところ「どんな環境で働いているか」によるんですよね。例えば、意思決定がめちゃくちゃ重要なポジションにいる人なら、鍛える価値はあるかもしれませんけど、大多数の人はそこまで重い決断を迫られることなんてないんですよ。

むしろ、多くの会社では「意思決定するのは上司で、部下はその指示に従うだけ」みたいな構造になってることがほとんどですよね。だから、全員が意思決定力を鍛える必要があるのかっていうと、ちょっと微妙なところですね。

「短時間での決断訓練」は本当に意味があるのか?

「60分で20件の案件を処理する」ことの落とし穴

この本では「短時間で多くの案件を処理する訓練をすれば、判断力が向上する」って話が出てきますよね。でも、それって本当に役に立つんですかね? 例えば、試験のために暗記をするのは意味があるかもしれませんけど、実際の仕事って「正しく処理すること」のほうが重要じゃないですか?

要は、「60分で20件の案件を処理できること」と「60分で適切な判断ができること」は別の話なんですよね。速さばかりを重視していると、「本当はもう少し考えればいい答えが出せたのに、急ぎすぎて間違った判断をした」みたいなことが増えるわけですよ。それって結局、仕事のクオリティを下げることになりませんか?

「決断の速さ」よりも「決断の確かさ」が重要

例えば、医者が「とにかく早く診断しろ」って言われたらどうなるか考えてみるとわかりやすいですよね。適当に診断して処方した結果、患者の病状が悪化したら本末転倒なわけですよ。仕事でも同じで、「時間制限内に決断する」ことよりも「適切な決断をする」ことのほうが圧倒的に大事なんですよね。

それに、「短時間で決断する訓練」って、どこまで行っても「訓練のための訓練」にしかならないんですよ。現実の仕事では、「考える時間を取ったほうがいい案件」と「即決すべき案件」が混在してるので、一律に「短時間で処理しろ」と言われても、それが最適とは限らないんですよね。

「他者の力を借りる」ことの難しさ

「仕事を振る」のはそんなに簡単じゃない

この本では「部下や同僚の能力を活用し、一人で抱え込まないようにする」って話が出てきますけど、それが簡単にできるなら、世の中のマネージャーは苦労しないんですよね。現実問題として、「仕事を振ること」自体がスキルなんですよ。

例えば、「部下に仕事を任せる」といっても、その部下がちゃんとできるとは限らないし、むしろ「余計な仕事が増えた」ってこともあり得るわけです。上司が「お前に任せた!」って言っても、部下が結局「よくわからないから確認させてください」って戻ってきたら、二度手間になるじゃないですか。

要は、「人に任せること」って、思っているほど楽じゃないんですよね。特に、日本の企業って「仕事を上手く振る」ことよりも「自分で何とかしろ」っていう文化が根強いので、「他者の力を借りましょう!」みたいな話が、どこまで現実的なのかはちょっと疑問です。

「頼れる部下」がいる環境は少ない

さらに、そもそも「頼れる部下がいるかどうか」って問題もあるわけですよね。もし優秀な部下がいたら、それは確かに仕事を振る価値があるかもしれませんけど、大抵の職場では「仕事を振れるレベルの人材がいない」っていうのが現実じゃないですか。

例えば、「この仕事は専門的だから、お前がやれ」とか、「まだ経験が浅いから、ミスされたら困る」とか、結局は「任せられる状況じゃない」ってケースが多いんですよ。だから、「他者の力を借りることが重要」とか言われても、それができるのは環境が整ってる場合だけなんですよね。

「案件の細分化」は本当に効果的なのか?

細分化しすぎると逆に非効率になる

この本では「大きな問題を細かく分解し、それぞれ対応することで全体の解決を目指す」って言ってますけど、これも場合によるんですよね。例えば、細分化しすぎると、「結局、全体を見たときに意味のない仕事が増えた」みたいなことになるんですよ。

プロジェクト管理とかでもそうですけど、「細かく分けすぎて、それぞれの部分最適になった結果、全体としてうまくいかない」ってことって、よくある話じゃないですか。だから、細分化すること自体が目的になっちゃうと、本来の問題解決から遠ざかる可能性もあるんですよね。

「全体の流れを見失う危険性」

例えば、映画を作るときに「シーンごとに分けて作業する」のはいいとしても、最終的に「全体としてつながりが悪い映画になったら意味がない」わけですよね。仕事でも同じで、「細かくタスクを分けすぎた結果、全体のバランスが悪くなった」みたいなことはよくあるんですよ。

だから、「案件の細分化をしましょう!」っていうのは確かに一つの方法ではあるんですけど、それをやりすぎると「部分最適」に陥る可能性があるので、その点は注意が必要ですね。

結局、「判断力」ってどう身につければいいの?

「インバスケット思考」よりも経験を積むほうが早い

この本では「インバスケット思考を活用すれば、判断力が向上する!」って言ってますけど、結局のところ、一番手っ取り早いのは「実際の仕事で経験を積むこと」なんですよね。どんなにシミュレーションをやっても、リアルな環境でのプレッシャーや責任感を経験しないと、本当の意味での判断力は身につかないんですよ。

例えば、スポーツの試合だって、練習だけじゃなくて実戦経験がめちゃくちゃ重要じゃないですか。ビジネスでも同じで、「どんなにトレーニングしても、実際にやらなきゃ意味がない」って話なんですよね。

「失敗を積み重ねる」ことが最も効果的

で、結局のところ、「判断力を鍛える一番の方法」は「実際に失敗を経験すること」なんですよね。ミスをして、「ああ、こういう場合はこうすべきだったな」って学ぶことが、一番の近道なんですよ。

例えば、料理も「レシピを読んで学ぶ」よりも、「実際に作って失敗する」ほうが早く上達するじゃないですか。ビジネスでも同じで、「失敗しないように準備する」よりも「実際にやってみて失敗から学ぶ」ほうが、結果的に判断力が向上するんですよね。

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