うーん、この本の内容って要は「効率よく働いて早く帰りましょう」って話なんですけど、それってそんなに特別なことですかね? まあ、トヨタ式の「ムダをなくす」考え方がすごいのはわかるんですけど、結局のところ「無駄なことをやめましょう」っていう当たり前のことを言ってるだけなんですよね。 で、これをどうやって実践するかが問題なんですけど、そもそも日本の企業文化が「効率よりも長時間働くことが評価される」みたいな状態なんで、そこから変えないとどうにもならないと思うんですよね。
「ムダの排除」は本当に可能なのか?
仕事の9割は「ムダ」だけど、それをなくせるとは限らない
トヨタ式の考え方では「ムダをなくす」ことが大事だって言ってますけど、そもそも今の会社の仕事の9割ってムダなんですよね。 会議、報告書、意味のないルール、上司への忖度、これ全部ムダ。でも、これをなくすと困る人がいるからなくせないんですよ。 例えば、上司の仕事って「部下の管理」なんですけど、ムダを徹底的になくすと管理することがなくなるんですよね。 で、そうなると「上司っていらなくね?」って話になるじゃないですか。 だから、ムダはみんなわかってるけど、なくせないんですよ。
日本の「長時間労働が偉い」文化が邪魔してる
あと、日本の企業って「長く働いてる人が評価される」文化があるじゃないですか。 「効率よく働いて早く帰る人」より「ダラダラ働いて遅くまでいる人」のほうが偉い、みたいな風潮。 だから、いくら「ムダをなくして早く帰ろう!」って言っても、会社の評価制度が変わらないと意味がないんですよね。 結局、効率化した人だけが損をするっていうオチになるんじゃないかなと。
「標準時間」を決めることの限界
仕事のスピードは人によって違う
「作業ごとに標準時間を決めましょう!」って言ってますけど、そもそも人によって作業スピードって違うんですよね。 例えば、メール返信を5分で終わらせる人もいれば、30分かかる人もいる。 これを「標準時間10分!」って決めたら、5分で終わる人は「遅くする理由」ができるし、30分かかる人は「無理をしなきゃいけない」ってなるんですよ。 で、結局「標準時間ってなんだったんだ?」ってなるわけです。
標準時間を守るための無駄な管理が増える
あと、標準時間を決めると「ちゃんと守ってるか?」って管理しなきゃいけないんですよね。 これって、結局「ムダをなくそう!」って言ってるのに、新しいムダが生まれてるんじゃないですか? 例えば「この仕事は30分以内に終わらせるルールだから、みんなちゃんとできてるかチェックしよう!」ってなると、 チェックするための会議が生まれたり、進捗報告が増えたりして、余計に時間がかかるんですよね。
「知恵を出せ」って言われても無理なものは無理
そもそも知恵を出せる環境じゃない
「忙しいのは知恵が足りないからだ!」って言ってるけど、そもそも知恵を出す余裕がない会社が多すぎるんですよね。 例えば、毎日終電まで働いてる人に「もっと効率的に働け!」って言っても、疲れすぎて頭が回らないんですよ。 そもそも、仕事が終わらない原因って「無駄が多いから」じゃなくて「仕事量が多すぎるから」ってパターンもあるじゃないですか。 そこを無視して「知恵を出せ!」って言われても、いやいや知恵を出す時間すらないんですけど…って話なんですよね。
「残業禁止にすれば効率化する」ってのは机上の空論
で、「残業禁止にすればみんな知恵を出して効率化する」って話もあるんですけど、 実際にやると「仕事が終わらないから家に持ち帰る」だけなんですよね。 で、結果的にブラック労働が加速するっていうオチ。 効率化するためには「労働時間の制限」じゃなくて「仕事量を減らす」ことが大事なんですけど、 そこを無視して「働き方を工夫しよう!」って言っても意味がないんですよ。
「報連相」は本当に効率化につながるのか?
やりすぎると逆に無駄が増える
「報連相を徹底すればミスが減る!」って言ってますけど、 これってやりすぎると逆に「報告のための時間」が増えるだけなんですよね。 例えば、毎日進捗を報告しろって言われたら、その報告を作る時間が発生するじゃないですか。 で、その時間が無駄になって、結局「なんのための報連相だったんだ?」ってなるんですよ。
上司によっては「報連相」が逆効果
あと、上司によっては「報連相」が逆効果になることもあるんですよね。 例えば「何かあったらすぐ報告しろ!」って上司がいると、部下は全部報告しなきゃいけなくなる。 で、結果的に「いちいち細かいことまで聞いてくるな!」って怒られるんですよ。 これ、部下からしたら「じゃあ、どこまで報告すればいいんだよ?」ってなるじゃないですか。 結局、報連相のバランスを間違えると、逆に仕事がやりにくくなるんですよね。
「付随作業」と「正味作業」を分けることの難しさ
実は「付随作業」も必要なことが多い
「付加価値を生まない作業を減らして、価値のある作業に集中しよう!」って言ってますけど、 そもそも付随作業を完全になくすことって無理なんですよね。 例えば「営業の移動時間が無駄だから訪問件数を減らそう!」ってなったら、 訪問回数が減ったせいで契約が取れなくなることもあるわけじゃないですか。 つまり、一見ムダに見える作業も、長期的に見たら必要だったってことがよくあるんですよ。
「正味作業」に集中すると逆に効率が下がることも
で、「ムダをなくして正味作業に集中しよう!」っていうのも、 やりすぎると逆に効率が悪くなることがあるんですよね。 例えば「書類作成は無駄だから最低限にしよう!」って削りすぎると、 あとで必要になったときに「記録がないからやり直し」みたいなことが起きる。 結局、バランスの問題なんですよね。 ムダをなくしすぎると、逆に非効率になるっていうパターンがあるんですよ。
「失敗の見える化」が機能しない会社の特徴
「失敗を共有する文化」がそもそもない
「失敗を見える化して、同じミスを繰り返さないようにしよう!」っていうのは正しいんですけど、 そもそも日本の会社って「失敗を隠す文化」が強いんですよね。 例えば、何かミスをしたら「怒られるだけで終わり」って会社が多い。 で、結局、誰もミスを認めたくないから「失敗の共有」が進まないんですよ。
ミスを報告すると評価が下がる問題
あと、日本の企業だと「ミスを報告した人の評価が下がる」っていう問題もあるんですよね。 本当は「失敗をオープンにして改善する」っていうのが理想なんですけど、 現実は「ミスを報告すると責任を取らされる」ってケースが多い。 だから、みんな隠そうとするし、結果的に同じミスが繰り返されるっていう悪循環が生まれるんですよね。
「5回のなぜ」をやると現場が混乱することも
深掘りしすぎると結局「経営の問題」に行き着く
「問題の根本原因を探るために『なぜ』を5回繰り返しましょう!」って言われますけど、 これをやりすぎると、最終的に「会社の体制が悪い」って話になっちゃうんですよね。 例えば「生産ラインでミスが多い」という問題があったときに、 「なぜ?」を5回繰り返すと「そもそも人手不足だから」みたいな結論になる。 で、それを解決するには「人を増やすしかない」って話になるんですけど、 現実的に人を増やせるかというと、会社の都合で無理なんですよね。 つまり「なぜ?」を繰り返しても、解決できない問題に行き着くことが多いんですよ。
現場レベルで解決できない問題にぶつかる
「5回のなぜ」は、現場レベルの問題なら有効なんですけど、 会社の仕組みそのものに関わる問題になると、現場の人間じゃどうにもならないんですよね。 例えば「残業が減らない」って問題があったとして、 「なぜ?」を5回繰り返すと「そもそも仕事量が多すぎるから」って結論になる。 でも、その仕事量を減らす権限が現場にはないから、結局変えられないんですよね。 これ、やりすぎると「問題は分かったけど何もできない」っていう絶望感だけが残るんですよ。
「早く帰れる働き方」が実現するために必要なこと
会社全体の評価基準を変えないと意味がない
結局のところ、「ムダをなくして早く帰ろう!」って言っても、 会社の評価制度が「長く働いた人が偉い」っていう状態だと意味がないんですよね。 早く仕事を終わらせた人が損をするなら、誰も効率化なんてしませんから。 だから、「成果で評価する」仕組みにしないと、どれだけ効率化の話をしても無駄なんですよ。
「仕事を減らす」ことが一番の効率化
あと、「どうやって効率化するか?」って話よりも、 そもそも「仕事を減らす」ことを考えたほうが早いんですよね。 ムダな業務を効率化するより、最初からやらないほうがいいわけで。 例えば、「意味のない報告書」って言われてるものを、 いくら効率的に作成しても、そもそも不要ならなくしたほうが早いじゃないですか。 だから、まず「やらなくていい仕事はないか?」って視点が大事なんですよ。
「知恵を出す」よりも「休む時間を増やす」
あと、「知恵を出して効率化しよう!」って言ってますけど、 人間って疲れてると知恵なんて出てこないんですよね。 むしろ、ちゃんと休んだほうがパフォーマンスが上がることが多いんですよ。 だから、効率化よりも「ちゃんと休む」ことのほうが大事だったりするんですよね。
まとめ:トヨタ式は理想論、でも実践は難しい
トヨタの「ムダをなくして効率よく働こう!」っていう考え方はすごく理想的なんですけど、 実際の会社では、ムダをなくせない理由がたくさんあるんですよね。 ・上司の仕事がなくなるからムダが残る ・長時間労働が評価される文化がある ・標準時間を決めても人によって合わない ・報連相をやりすぎると逆に無駄が増える ・5回のなぜをやると解決できない問題に行き着く だから、トヨタ式をそのまま導入してもうまくいかないことが多いんですよね。 結局のところ、本当に大事なのは「仕事の量を減らす」ことと「評価制度を変える」こと。 これができない限り、どれだけ効率化しても「仕事が減らないまま」っていう状態が続くんじゃないかなと。
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