老けない人の落とし穴?ひろゆき流・若さ神話の嘘|老けない人はやめている :レビュー

書評

老化を遅らせるという幻想と現実

「若返りホルモン」を過信してませんか?

要はですね、「若返りホルモン」って言葉が出てくると、多くの人が「それを増やせば若返る」と思っちゃうんですけど、実際はそう簡単な話じゃないんですよね。成長ホルモンってのは確かに体の代謝や再生には関与してるんですけど、それが増えたからといって永遠に若くいられるわけじゃないんです。

たとえば、ボディビルダーが成長ホルモンをドーピングで使ったりしますけど、彼らが若返ってるかというとそうでもないですよね。むしろ老け顔になったり、体への負担が大きくなる場合もあります。つまり、「若返りホルモン」ってのを魔法の薬みたいに扱ってる時点で、ちょっと信憑性に欠けるんじゃないかなと思うわけです。

糖質制限の功罪

糖質制限をすると「疲れなくなった」「頭がすっきりした」って人は確かにいるんですけど、それって単に糖質の過剰摂取で体がしんどくなってただけの話で、糖質が悪者ってわけでもないんですよ。糖質って脳のエネルギー源でもあるんで、極端に制限すると逆にパフォーマンスが落ちる人もいます。

で、著者の体験談で「糖質を減らして元気になった」って書かれてますけど、体質によっては合う人もいれば、合わない人もいるわけで、全員に当てはまるような話として広げるのはちょっと乱暴かなと。僕が考えるに、「糖質をゼロにしろ」じゃなくて、「摂りすぎるな」ぐらいのスタンスの方が現実的だと思うんですよね。

食事法ってそんなに万能ですか?

抗酸化作用のある野菜を食べるのがいいってのは、まあ科学的にも支持されてる話なんですけど、「これを食べれば老けない」ってのは、要は極論なんですよ。そもそも老化ってのは複雑な生物学的プロセスで、食事だけでどうにかなるもんじゃないんですよね。

あとローフードってのも流行りですけど、生で食べることが必ずしも栄養の吸収効率がいいとは限らない。加熱した方が吸収しやすくなる栄養素もあるし、生野菜を大量に摂ることでお腹を壊す人もいる。つまり、食事ってのは体質や生活スタイルとセットで考えなきゃ意味がないんですよ。

インスリンと自己責任のはざまで

インスリン管理の現実

インスリンが成長ホルモンの分泌を妨げるってのは、理論上は正しいんですけど、それを日常生活レベルで「完璧に管理しろ」って言われると、それって無理ゲーじゃないですか?毎回の食事で血糖値を測ってコントロールするなんて、普通の人はやらないし、やれないですよ。

つまり、「老けたくなければインスリンを管理しろ」ってのは、聞こえはいいけど、結局はそれができる前提の人向けなんですよ。忙しいサラリーマンや子育て中の主婦が、そんなこと毎日やれるかって話です。現実とのギャップが大きすぎるんですよね。

サプリ信仰を否定して、でも…

サプリメントに頼らず自然な食事から栄養を摂るっていうのは正論です。でもですね、「じゃあどこまで自然にこだわればいいの?」って話になると、結局「有機野菜を買いましょう」とか「無添加の食材を選びましょう」とかになって、お金と時間がかかるわけです。

結局、自然派ってコストが高いんですよ。で、「それが健康のためだから仕方ない」って言う人もいるんですけど、それって自己満足の世界なんですよね。だから、「サプリは悪で自然な食事が善」って単純化はちょっと危ないかなと。

「少しずつ改善すればいい」という優しさ

この本の中で唯一まともだなと思ったのが「完璧を目指さず、少しずつ改善していく」という姿勢ですね。これは現実的だし、精神衛生上もいい。でもこれもよく考えると、「少しずつ改善していけば、いつかは完璧に近づける」という前提があるわけで、その「少しずつ」ってのがどれくらいの期間で、どのレベルまでやるのかってのが明示されてないんですよ。

つまり、やる気がある人にはいいけど、モチベーションが続かない人にはただの精神論になっちゃうんです。要は、結局その人の自己管理能力に依存してるってことですね。まあ、自己責任社会ってこういう話が多いんですけど、「できる人だけが得をする仕組み」ってのは、ちょっと冷たい感じもしますね。

老けないことに意味はあるのか?

アンチエイジングのゴールって何?

そもそもなんですけど、「老けないこと」ってそんなに重要なんですかね?僕としては、「見た目が若い」とか「体内年齢が若い」とか言われても、それが人生の幸福にどれだけ寄与してるのかは疑問です。要は、老けないことで何が得られるのか?って話ですよね。

健康で長生きするのはもちろんいいことですけど、それが「見た目を若く保つこと」と直結してるわけじゃない。むしろ、見た目を気にしすぎてストレス溜めてる方が老ける原因になるんじゃないかと。だから、「老けないこと」を目標にするより、「どう生きるか」にフォーカスした方がいいと思うんですよ。

美の基準は誰が決めるのか

で、「若く見える=美しい」って価値観も、かなり偏ってるんですよね。例えばフランスでは、年齢を重ねた女性の魅力が評価される文化があるんですけど、日本はわりと「若い=正義」みたいな風潮が強い。これってメディアや美容業界が作り出した幻想で、それに振り回されるのって、結構不毛だと思うんです。

つまり、「老けない人」ってのは、単にその幻想に乗っかって努力してるだけで、別にそれが本当にいいことかどうかはわからない。美の基準ってのは文化によって違うし、年相応に見えることの方が安心感や信頼につながる場合もあるんですよ。

生活習慣の細分化と強迫観念

「朝食の見直し」が健康のカギって本当ですか?

パンとコーヒーの朝食が老化を促進するって話なんですけど、それってつまり、「ほとんどの日本人の朝食は老けやすい」って言ってるわけですよね。これ、かなり乱暴な一般化じゃないかと。もちろん、糖質が多い朝食は血糖値の急上昇を招くかもしれませんけど、それって運動や仕事の始まりにエネルギーを供給する目的でもあるわけです。

僕が思うに、朝食にパンを食べるかどうかより、「前日の睡眠時間」や「朝からどれだけストレスを受けるか」の方が体調に影響するんじゃないかと。つまり、朝のパンが問題なんじゃなくて、その後の生活全体を見た方がいいんですよね。ひとつの習慣を悪者にしてる時点で、論理のバランスが崩れてると思うんです。

3時のおやつは本当に悪なのか?

3時のおやつをやめましょう、週1回だけにしましょう、って話ですけど、これもまた「絶対に正しい」とは言い切れないんですよ。人間の幸福って、意外と小さな楽しみに左右されるところがあって、たとえば甘いものが「心のオアシス」になってる人もいるんですよね。

つまり、多少のインスリンの上昇が健康に影響するとしても、それを上回るメンタル的な満足感があるなら、必ずしも悪とは言えない。むしろ、やめること自体がストレスになって逆効果になる可能性すらある。要は「健康」と「幸福」って別の話で、そのバランスをどう取るかが大事なんです。

アンチエイジングの行き過ぎた信仰

「夕食後のスイーツ禁止」の落とし穴

夜にスイーツを食べると成長ホルモンの分泌が妨げられるって言うけど、それって「その人が毎晩甘いものを大量に食べてる場合」に限った話じゃないんですよ。たまにデザートを楽しむ程度なら、そこまで問題視する必要ないと思うんですよね。

この本のトーンって、ちょっとした楽しみすら「老化の原因」として排除しようとする傾向があって、それってちょっと不健全だと思うんですよ。人間って完璧なルールの中じゃ生きられないんで、多少の逸脱があっても、全体として健康であればいいんじゃないかと。

「毎食、緑の濃い葉野菜」って、修行ですか?

葉野菜が抗酸化にいいってのはわかるんですけど、毎食入れるって、現実的に難しくないですか?サラリーマンが毎食サラダバーに行けるわけでもないし、自炊してる人もコストと手間がかかる。そんな中で「毎食必須」と言われると、なんだか強迫観念的になりますよね。

健康って、「できる範囲で続けられること」が基本だと思うんですよ。でもこの本はわりと「こうしないと老けるぞ」と脅してくるスタイルなんで、読んだ人が不安になって結局続かない、ってパターンも多いんじゃないですかね。

情報化社会と健康ビジネス

「カフェインの摂取時間」まで管理する必要があるのか?

午後3時以降のカフェインが成長ホルモンの妨げになるっていうのも、極論ですよね。そもそも、成長ホルモンって夜にピークになるわけで、午後のカフェインがそこまで影響するかというと、データとして微妙なところもある。何より、「午後の眠気を防ぐためのカフェイン」を我慢することが、生産性の低下を招く可能性があるんですよ。

「健康のため」と言いながら、日中の集中力が落ちて仕事のパフォーマンスが下がったら本末転倒じゃないですか。つまり、健康情報って一部を切り取って絶対化すると、生活全体の質を落とす危険性があるんですよね。

ナチュラルサプリメント信仰の矛盾

自然由来のサプリメントはいいけど、化学合成はダメっていうのも、感情論が強すぎる気がしますね。アサイーやスーパーフードって言葉に踊らされて高い商品を買うより、栄養バランスの取れた普通の食事をしてる方がよほど合理的なんじゃないかと。

で、結局のところ「ナチュラル志向」って一種のブランド化なんですよ。自然だから安心、オーガニックだから安全、みたいな。でも自然にも毒はあるし、化学合成でも安全なものはたくさんある。要は、「自然=善、化学=悪」っていう単純な構図が間違ってるんですよ。

アンチエイジングより「納得の老い方」

「老ける」ことにもっと寛容でいい

結局のところ、「老けないこと」に執着しすぎるのって、自分の見た目に対するコンプレックスや不安の裏返しなんじゃないかと思うんですよね。でも、見た目よりも「自分がどれだけ納得して年齢を重ねられるか」の方が重要なんじゃないかと。

フランスにいると、シワを気にしない女性が多いですけど、それでも彼女たちは魅力的なんですよ。年齢に応じた知性とか余裕があるから。日本だと「年相応」って言葉がネガティブに取られがちですけど、実際には「その人の歴史が顔に出る」っていうポジティブな意味もあるんじゃないですかね。

情報に振り回される前に考えるべきこと

この手の健康本を読むときに大事なのは、「それって本当に自分に必要な情報なのか?」って問いかけることなんですよ。情報があふれすぎてて、どれも正しそうに見えるけど、結局は自分の生活や体質に合わなきゃ意味がない。

健康って、目的じゃなくて「よりよく生きるための手段」だと思うんです。なのに、「健康のために人生を犠牲にする」ようなことをしてたら、それって本末転倒ですよね。アンチエイジングに必死になるより、「今日が楽しいかどうか」を大事にする方が、よっぽど人生の質は上がるんじゃないかと僕は思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました