老いを楽しむ秘訣!品格ある老後の賢い生き方|老いの品格 品よく、賢く、おもしろく (PHP新書) :レビュー

書評

老いの品格を論理的に考える

老いを受け入れるべきか、戦うべきか

要は「老い」という現象をどう捉えるかって話ですよね。著者は「戦える間は戦い、最終的には受け入れる移行が大事」と言ってるんですけど、これは結局「どこで折り合いをつけるか」という個人の価値観の話なんですよね。戦うにせよ、受け入れるにせよ、それを選ぶのは本人の自由なので、どっちが正解という話でもないんですよ。 ただ、現実問題として、完全にアンチエイジングに賭けるのはコストがかかりすぎるんですよね。サプリメントやジム、医療的なケアを続けるのは経済的にも時間的にも負担が大きい。一方で、老いを完全に受け入れてしまうと、できることが減るわけで、それはそれで社会的な機能を失いやすい。だから「移行するのが大事」って話になるんでしょうけど、移行のタイミングを見極めるのは相当難しいんですよね。 人間って基本的に変化を嫌う生き物なので、老化が進んでも「自分はまだ大丈夫」と思いたがるんですよ。実際、70代でも現役で仕事を続ける人もいれば、60代で完全にリタイアして悠々自適に過ごす人もいる。このあたりの選択が「賢く老いる」ということなのかもしれませんね。

できることを活かす、って結局「最適化」の話

老化と聞くと「できないことが増える」っていうマイナスのイメージを持つ人が多いんですけど、実際は「できることの種類が変わる」だけだったりするんですよね。例えば、体力的にきつくなったからと言って、頭を使う仕事や趣味は続けられる。 著者は「美術療法」みたいな事例を挙げてますけど、これは要するに「自分のリソースをどこに振り分けるか」という最適化の問題なんですよ。スポーツ選手が引退後に指導者になるのも、同じような話ですよね。これって「努力の方向を変える」というだけで、決してマイナスではないんですよ。 ただ、世の中には「老い=終わり」みたいなイメージを持つ人がいて、何か新しいことを始めるのを諦める傾向があるんですよね。でも、実際には60代70代から新しいことを始める人もいるわけで、それが可能かどうかって結局「気持ちの問題」だったりするんですよね。

老いに覚悟を持つって、どういうこと?

「老いを受け入れる覚悟を持つ」とか言われると、なんか精神論っぽく聞こえるんですけど、結局これは「将来の自分に対する準備をしておく」っていう話なんですよね。 例えば、認知症になるリスクを考えて、若いうちから記憶力を鍛える習慣をつけるとか、身体が弱ったときにどう生活するかのシミュレーションをしておくとか。そういう準備ができていれば、実際に老化が進んだときにも慌てなくて済む。 著者が例に挙げている長谷川和夫医師の話なんかは、まさに「準備ができていたからこそ、自分の老いを受け入れられた」ってことなんでしょうね。自分で認知症になったことを公表して講演を続けるっていうのは、普通の人にはなかなかできることじゃないですからね。 だから、「老いに覚悟を持つ」っていうのは、単なる精神論じゃなくて、実際の行動に落とし込むことが大事なんじゃないですかね。

老いを自由に楽しむという発想

自由を享受するって、どこまで本当に自由なの?

著者は「老後はお金や地位よりも、自分の望む生き方を選ぶ自由が大事」と言ってますけど、実際にはそんなに単純な話じゃないんですよね。 例えば、お金がなければ選べる自由も限られるわけで、結局のところ「自由を享受するための条件」が必要になるんですよ。社会的な立場がある人は、そのつながりを活かして自由に動けるかもしれませんけど、何も持っていない人がいきなり「自由な老後を送りましょう」と言われても、なかなか難しい。 ここで重要なのは、若いうちから「老後の自由のために準備をしておく」ってことなんですよね。つまり、経済的な備えや、人とのつながり、趣味などの「選択肢」を増やしておくことが、自由を維持するためには必要になってくる。

品格のある老いって、要するに「周りに迷惑をかけない」ってこと?

品格っていう言葉はよく使われますけど、結局のところ「自分の老いをコントロールする能力」みたいな意味なんじゃないかと思うんですよね。例えば、体が不自由になっても、できるだけ周りに迷惑をかけないように工夫するとか、感情的にならずに冷静に対処するとか。 車いすやおむつを受け入れることを「品格」とするのも、「自分の状態を冷静に判断して、それに合った選択をする」ということですよね。これは「感情に振り回されずに合理的に考える力」にもつながるわけで、結局のところ「品格のある老い」っていうのは「自己管理能力の高さ」みたいなものなんじゃないかと思うんですよ。

不安と共存することの重要性

老いに対する不安って、どうやっても消えないんですよね。特に認知症や病気のリスクが高まると、「いつか自分もそうなるんじゃないか」という不安は避けられない。でも、不安をなくそうとするんじゃなくて、「不安があっても楽しく生きる」っていうのが現実的な対処法なんじゃないですかね。 例えば、認知症になったら何もかも終わり、みたいな考え方をすると、それ自体がストレスになって、逆に健康を害することになる。でも、初期の認知症でも、日常生活を楽しむことはできるわけで、そこをどう考えるかが大事なんですよね。 結局のところ、「老い=マイナス」と考えるか、「老い=違うフェーズ」と考えるかの違いなんですよ。著者の言う「不安と共存する」というのは、そういう考え方の転換のことなんじゃないですかね。

老いを賢く活かす戦略

知識と経験の融合がもたらす価値

若い頃は新しい知識を吸収するのが得意ですが、経験が不足しているので、それをどう活かすかの判断が難しいんですよね。一方で、高齢になると知識を増やすスピードは落ちるけど、過去の経験と組み合わせて深みのある判断ができる。 この「知識と経験の融合」こそが、高齢者ならではの強みなんですよ。例えば、若い世代が最新の技術やデータを駆使して戦略を立てたとしても、それが実際に社会でどう機能するのかは経験がないと分からないことが多い。だから、世代を超えた議論の場では、年配者が経験を活かして「それ、過去に似た事例があって失敗してるよ」とか「こういうやり方なら成功するかもしれない」といったアドバイスをすることに意味があるんですよね。 ただし、ここで問題になるのは「過去の経験が必ずしも正解とは限らない」ということ。変化の激しい時代において、過去の成功体験に縛られると新しい可能性を見逃すことにもなるんですよね。だからこそ、「経験を活かすけど、過去の成功に固執しない」というバランス感覚が求められるわけです。

老後の健康維持は戦略的に

著者は「適度な運動」「頭を使う習慣」などを健康維持のポイントとして挙げていますが、これって要するに「習慣化」の話なんですよね。結局のところ、健康を維持するためには「自動的にできる状態を作る」ことが重要なんですよ。 例えば、毎朝の散歩を習慣にしてしまえば、わざわざ「運動しなきゃ」と意識しなくても勝手に体を動かすことになる。読書や人との会話を習慣にすれば、自然と脳が活性化する。健康維持のために何をするかをいちいち考えるのではなく、「やるのが当たり前」という状態を作ることが、老後の健康を守るコツなんじゃないですかね。 ただし、ここでもう一つ大事なのは、「無理をしない」ということ。健康のために無理してジョギングを続けたり、難しい本を読もうとしてストレスを感じると、逆効果になることもある。だから、「自分が続けられる範囲で、最適な習慣を作る」というのが賢いやり方なんでしょうね。

感情をコントロールすることの重要性

老いると感情のコントロールが難しくなるという話はよく聞きますよね。例えば、怒りっぽくなったり、些細なことで不安になったりする。でも、これは年齢のせいというよりも、「自分の変化を受け入れられないこと」が原因だったりするんですよね。 例えば、仕事を辞めた後に「自分はもう社会に必要とされていない」と感じると、些細なことでイライラしやすくなる。でも、もし「自分は今、違うフェーズにいるだけ」と考えられれば、不必要に怒ることもなくなる。 著者の「感情を豊かに、しかし感情的にならない」というアドバイスは、要するに「適切なバランスを取ることが大事」という話ですよね。感情を抑えすぎると冷たい人間になるし、感情を表に出しすぎると周りが疲れる。だから、ちょうどいいバランスを探すことが、老後を穏やかに過ごす秘訣なんでしょうね。

老後をより良くするための実践的な方法

自分のペースで老いを受け入れる

他人と比べて「自分はまだ若い」と思いたくなる気持ちは分かるんですけど、それって結局、自己満足にしかならないんですよね。大事なのは、他人と比較するのではなく、「自分にとって最適な老い方を選ぶ」ということなんですよ。 例えば、70代になってから趣味を始めるのもいいし、逆に「もう無理して新しいことをしなくてもいい」と割り切るのも一つの選択。要するに、自分が納得できるかどうかが大事で、「周りがこうしているから自分もやらなきゃ」と思う必要はないんですよね。 ただ、あまりにも閉じこもると、それはそれで孤独になってしまうので、「適度に人と関わること」も重要になる。だからこそ、自分のペースを守りつつ、社会との接点を持つというバランスが求められるんでしょうね。

家族や友人に頼ることの大切さ

日本人って「人に迷惑をかけちゃいけない」という意識が強いんですけど、実際のところ、ある程度は迷惑をかけるのが普通なんですよ。むしろ、「迷惑をかけないように」と思って無理をすると、逆に周りが困ることもある。 例えば、介護が必要になったときに「自分一人でなんとかしよう」と頑張りすぎると、家族に相談するタイミングを逃してしまう。でも、早めに相談しておけば、みんなで負担を分散できるかもしれないんですよね。 だから、「頼るべきときは頼る」という判断ができるかどうかも、老後を賢く生きるための重要なポイントなんでしょうね。

他者への貢献を続けることが老後を充実させる

人間って、誰かの役に立っていると感じることで、自己肯定感が高まるんですよね。だから、老後になっても「自分が社会に貢献できること」を見つけることが、充実した生活につながる。 例えば、ボランティア活動をするとか、地域の活動に参加するとか、そういう形で社会と関わることが大事になってくる。そういう活動を通じて、新しい人間関係が生まれることもあるし、それが結果的に「孤独を防ぐ」ことにもつながるんですよね。

老後を楽しむためのシンプルなアクション

著者が提案しているように、「毎日散歩する」「趣味を一つ始める」「定期的に人と会話する」といった行動を取り入れるだけでも、老後の生活の質は大きく変わるんですよ。 要は、「何をするかを考えるより、とにかく動く」ってことが大事なんですよね。考えてばかりいると、どんどん動き出せなくなるので、とりあえず小さなことから始めるのが、老後を賢く楽しむコツなんじゃないですかね。

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