雑談が苦手でも信頼される人の話し方のコツ|おもしろい人が無意識にしている 神雑談力 :レビュー

書評

神雑談力という幻想

「雑談」に神をつけるのは宗教っぽい

まず最初に思うんですけど、「神雑談力」っていう言い方が、ちょっと宗教っぽいというか、言葉遊びとしては面白いけど、実際のところ、そんな万能な雑談力って存在するの?って話なんですよね。雑談ってそもそも、偶然性とか、その場の空気とか、タイミングにめちゃくちゃ依存するんですよ。

例えば、めちゃくちゃ面白い話を持ってても、聞いてる相手が機嫌悪かったらウケないし、逆に何でもない話でも、相手が機嫌よかったら盛り上がったりする。つまり、雑談って相手との「化学反応」なんですよ。化学反応に「絶対これやれば成功する!」っていうマニュアルを当てはめるのって、無理があるんですよね。

「嫌われたくない」って考えすぎてる人、時間の無駄です

それと「破滅思考」って言葉もあったんですけど、「嫌われたくない」っていう感情がある時点で、もう対人関係において主導権を放棄してるんですよ。要は、「相手に合わせなきゃ」と思って雑談する時点で、それ雑談じゃなくて「試験」なんですよね。

そもそも、全員に好かれようとするのが無理ゲーです。どんなに優しくて面白い人でも、100人いたら10人くらいは「アイツなんか苦手」って思われるもんで。だったら最初から「嫌われてもいいや」って思って、自然体でいた方が、結果的に合う人が寄ってきてくれるんですよ。

初頭効果に頼りすぎる人って、だいたい薄っぺらい

あと「初頭効果」とか「メラビアンの法則」って、心理学の教科書的な話としては面白いんですけど、それに頼りすぎると、人間関係がめちゃくちゃ表面的になるんですよね。

第一印象って確かに大事なんだけど、長期的な関係って、やっぱり中身なんですよ。で、「第一印象をよく見せるテクニック」ばっかり意識してる人って、だいたい続かない。最初だけ笑顔で感じ良くしても、すぐ化けの皮はがれるんですよ。

結局、雑談って相手を安心させるためのツールであって、自分をよく見せるための武器じゃないんですよね。そこで間違えると、「なんかこの人、営業っぽいな」って思われて終わります。

関係の3フェーズという分け方の微妙さ

「関係開始」「関係継続」「関係深耕」って、ビジネスっぽくない?

この本で出てくる「3つのフェーズ」ってやつも、すごいビジネスっぽいというか、CRM(顧客関係管理)みたいな話に寄せすぎだと思うんですよね。人間関係をこんなにキレイに段階的に扱えるなら、みんな苦労しないんですよ。

たとえば「関係開始」フェーズで「いい印象を与える」って言うけど、それって相手がどう感じるかであって、自分が操作できる範囲って限られてるんですよ。しかも「継続」や「深耕」って、こちらが「しよう」としてできるものじゃなくて、相手がどう思うかの問題でしょ。

なので、人間関係をフェーズに分けて「戦略的に深めましょう」って考えると、かえって不自然になるんですよ。要は「仲良くなるには、仲良くなろうとしないこと」なんですよね。

相手主語の雑談って、ズレるとウザいだけ

「相手主語の雑談」とか言われても、それってめちゃくちゃハードル高いんですよ。だって相手が何に興味あるかって、初対面じゃ分からないし、下手に仕事の話題とか振ると、「え、この人、詮索してる?」って警戒されることもあるんですよ。

それなら、むしろ自分の話をちょっとして、相手の反応を見る方が効率的なんですよ。自分がゲーム好きなら「最近エルデンリングやってるんですよ」って話して、相手が食いついてきたら続ければいいし、無反応なら話題変えればいいだけで。

つまり、相手に興味を持つことは大事だけど、それを「雑談のスキル」として押し付けるのって、ちょっと違うんじゃないかなと思います。

笑いって、そんなにコントロールできるもんじゃない

「笑いを入れろ」って、無茶ぶりすぎない?

本では「笑いを入れると人間関係が良くなる」と書いてあるんですけど、そもそも「笑い」って一番センスが問われる領域なんですよ。みんながみんな、面白いこと言えるわけじゃないし、滑った時のリスクを考えると、普通の人は無理に笑いを狙わない方が安全なんですよね。

しかも、仕事の場で笑いを取ろうとしてスベったら、空気が最悪になるわけで。「笑いを使って場を和ませましょう」って、簡単に言うけど、それって芸人の仕事なんですよ。普通の人にそのスキルを求めるのって、ちょっと無責任だと思います。

笑顔だけで十分、無理にウケ狙わなくていい

「笑顔で挨拶しよう」ってアドバイスもありましたけど、正直それだけで十分なんですよ。別に冗談言わなくても、感じよく接していればそれで好感度は上がるし、無理に笑わせようとして寒くなるくらいなら、無表情で会釈した方がまだマシなんですよね。

あと、「有言実行をアピール」とか「自分のキャラクターを持て」とかも書いてありましたけど、そういうのって意識してやるもんじゃなくて、勝手ににじみ出るもんなんですよ。「キャラ作ります!」ってやった瞬間に嘘くさくなるから。

雑談の本質は「スキル」ではなく「姿勢」

「テクニックでなんとかしよう」っていう考え方がズレてる

で、後半の話になるんですけど、そもそも「雑談力」って言葉が、「力(ちから)」って書いてある時点で、もう「頑張って身につけるスキルです!」っていう空気出ちゃってるじゃないですか。でも、さっきも言った通り、雑談ってセンスと相性の問題が大きくて、努力で何とかなるものじゃないんですよね。

たとえば、「雑談が苦手な人がこの本を読んで努力すれば、面白い人になれます」って言われても、それって「お笑い芸人になれます」と同じくらい無理ゲーなんですよ。努力で多少マシにはなるかもですけど、面白いってのは「そういう人」なんです。

つまり、雑談を「スキル」として勉強しようとする姿勢自体が、本質的にズレてるんじゃないかと思うんですよね。相手を楽しませようとか、印象良くしようって考える前に、「普通に話して、つまらなかったらそれでいいや」くらいの感覚の方が、人間関係うまくいくんですよ。

相手の期待に応えようとするほど、雑談は不自由になる

あと、「この人と仕事をしたいと思わせる雑談」って言い方も、めちゃくちゃ圧が強いんですよ。要は、「自分の存在が相手の利益になるように演出しろ」ってことでしょ? でも、そんな営業トークみたいなことを雑談でやろうとすると、自然な関係にならないんですよ。

むしろ「どうでもいい話して、笑って終わる」くらいの雑談の方が、よっぽど人間味があるんですよ。人は「自分のために努力してる感」を察すると、かえって距離を取るんです。だから、「笑わせよう」「印象良くしよう」と思えば思うほど、雑談ってぎこちなくなるんですよね。

雑談が苦手な人のための最低限の心得

雑談は「無理に話さない」方が好感持たれます

じゃあ、雑談が苦手な人はどうすればいいのかっていうと、むしろ「無理に話さない」方が好印象なんですよ。特に、日本人って沈黙をそんなにネガティブに捉えない文化なので、沈黙があっても全然平気なんですよね。

それに、雑談がうまい人って、話すよりも「聞く」が上手いんですよ。自分が話すより、相手に話させた方が相手は勝手に気持ちよくなるんで、雑談に困ってる人は「質問する」っていうのが一番手っ取り早い方法です。しかも、質問内容も凝ったものでなくて、「週末なにしてました?」とかでいいんですよ。答えに困らない質問を投げる、それだけでOK。

「雑談が苦手です」と言っちゃった方が楽になる

もうひとつの方法として、「僕、雑談苦手なんですよね」と先に言っちゃうのもアリなんですよ。要は、「ハードル下げとく」ってことですね。そうすると、相手も「あ、この人無理してないんだな」って思ってくれるし、こっちも楽になる。

雑談って、スキルでも努力でもなくて、「どれだけ肩の力抜けてるか」でほとんど決まるんですよ。なので、最初から「うまくやろう」って思わないのが、実は一番の近道だったりします。

雑談における本当の「信頼構築」とは?

「信頼」っていうのは雑談の結果であって、目的じゃない

この本では「雑談で信頼を得る」とか書かれてますけど、僕の考えでは「信頼」ってのは、雑談の“目的”じゃなくて“副産物”なんですよ。つまり、雑談がうまくいった結果、信頼が得られるだけで、「信頼を得るために雑談しよう」って考えた時点で、それってもう信頼できない人なんですよね。

たとえば、ビジネスの場でやたら話しかけてくる人って、「この人、下心あるな」って思われがちでしょ? 逆に、普段はあまり喋らないけど、ちゃんと結果出してる人の方が信頼されやすい。

だから、「信頼を得る雑談」とか言ってる人ほど、信頼されないっていう矛盾があるんですよ。雑談ってもっと、どうでもよくて、しょうもない話をして、「あー、この人、なんかいい感じだな」くらいで十分なんです。

「この人と一緒に働きたい」と思わせるのは、雑談じゃなくて普段の姿勢

「神雑談力で、この人と仕事したいと思わせる」って言いますけど、実際に「一緒に働きたい」と思われるのって、雑談の内容よりも、仕事中の姿勢とか、周囲への配慮とか、空気の読み方なんですよ。

たとえば、仕事が忙しい時に「なんか手伝うことありますか?」って自然に言える人は、それだけで好かれるし信頼される。それに対して、雑談で笑いを取ろうとしてスベってる人って、「空気読めないな」って思われる可能性の方が高いんですよ。

結局、雑談って「仕事できる人がすると、より魅力的に見える」っていう、増幅装置みたいなもんで、元の仕事ぶりがしょぼかったら、いくら神雑談しても意味ないんですよね。

雑談で最も重要なのは「余裕感」

雑談の目的は、相手に「安心感」を与えること

最後に言いたいのは、雑談って「笑わせる」ことでも「信頼を得る」ことでもなくて、最終的には「相手に安心感を与える」ことなんですよ。

つまり、「この人、なんか余裕があるな」と思わせることが、雑談の最大の目的なんです。で、その余裕ってのは、頑張って作るもんじゃなくて、「どうでもいいや」っていう姿勢からにじみ出てくるものなんですよ。

逆に、緊張してたり、相手の顔色ばっかりうかがってる人からは、余裕感が出ないんですよね。だからこそ、雑談が苦手な人ほど、「雑談でどうにかしよう」と思わず、「話せたらラッキー」くらいの軽い気持ちでいるのが、一番の近道だと思います。

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